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イード Research Memo(4):2021年6月期の業績見通しは未定だが、下期も増収増益を継続する可能性は高い


*16:24JST イード Research Memo(4):2021年6月期の業績見通しは未定だが、下期も増収増益を継続する可能性は高い
■業績動向

2. 2021年6月期の業績見通し
イード
6038の2021年6月期の業績見通しは、年明け以降も緊急事態宣言が一部都府県で再び発出されるなどコロナ禍の収束が見えないなか未定とし、合理的に見積もることができるようになった段階で公表する予定にしている。コロナ禍が各事業に与える影響について見ると、ネット広告については2021年6月期第2四半期において政府の消費喚起施策もあって広告出稿意欲が回復傾向を見せたが、2020年12月以降コロナ禍の第3波でこうしたキャンペーン施策が一時停止となったほか、2021年1月以降は一部の都府県で緊急事態宣言は再度発出されるなど、見通しは再び不透明になってきている。ただ、2020年の4~5月のような急激な冷え込みにはなっていないもようで、コロナ禍でも効果的な広告企画の提案やユーザー課金モデルの取り組み推進などによって、増収を目指していく考えだ。

一方、データ・コンテンツ提供(EC物販)については、EC物販の定着化により需要が引き続き好調に推移しており、下期も増収が見込まれる。同様に出版ビジネスも巣ごもりの影響でアニメ雑誌やパズル雑誌は堅調を維持するものと見られる。リサーチソリューションについては、大型案件(特に海外案件)の計画が延期または縮小傾向となっており、下期も低迷が続く見通し。ECソリューションについては、ECサイト構築並びに機能向上の需要が根強く、下期は堅調に推移するものと予想される。

なお、下期は絵本ナビが持分法適用関連会社に異動することによって売上高で3億円程度の減少要因になるが、利益ベースでの影響は軽微と見られる。売上高については、既存事業の拡大や新たなM&Aによってカバーしていく方針だ。2021年3月には、(株)ブリスラボが運営する食事宅配・食材宅配の情報メディア「デリ食ナビ」及び「食事宅配ライフ」の2サイトを取得し、運営を開始している。

費用面ではテレワーク体制の継続(出社率10~20%)により、2021年1月に本社を移転(東京都新宿区→中野区)しており、地代家賃を含めた経費削減が見込まれる。オフィス面積も400坪から300坪に縮小しており、家賃は大幅に削減できる見通しだ(2020年6月期実績で133百万円)。テレワーク体制の導入を機にオフィスの在り方も改め、柔軟で働きやすいオフィス環境(全社フリーアドレス化)を構築し、デジタル化の推進によって業務効率の更なる向上を見込んでいる。将来的にはより分散化したオフィス展開も検討していく予定にしており、同社にマッチした人材の確保を推進していく考えだ。

なお、主要子会社であるエンファクトリーにおいて、新しい人材サービス「複業留学」を2020年7月に開始している。「複業留学」は、従業員が複業としてベンチャー企業で働くことで越境的活動を促進する取り組みで、送り手側の企業にとっては従業員の人材育成や成長機会の提供に、受け入れ側の企業にとっては外部人材活用による課題解決につながる可能性があり、双方がメリットを享受できるサービスとなる。留学期間は2ヶ月間で約20時間を目安とし、本業への負荷が少ない状態で複業を実践していく。また、報酬が発生しない研修目的として他社での越境活動を実践することも可能となっている。既に東海東京フィナンシャル・ホールディングス
8616やみずほビジネスパートナー(株)など、導入実績も出始めている。2021年4月には高年齢者雇用安定法の改正により、企業は65歳までの雇用機会確保義務に加えて70歳までの就労機会確保の努力義務が求められ、新たな人材サービスの形として注目される。


「iid 5G Mobility」の取り組みでは「バーチャルキー」が普及フェーズに入り、新たに会員制メディア「mirai.Response」を立ち上げる
3. 今後の成長戦略
同社では今後も自社開発またはM&Aによって運営するメディアを拡充し、それぞれのメディアの特性に応じたビジネスモデルを展開することで収益の多様化・最大化を図り、収益成長を目指していく戦略となっている。運営サイトは2020年12月末で68サイトと、2015年6月末の40サイトから5年半の間に1.7倍に増加した。年間5〜6件のペースで拡大しており、今後も積極的に拡大していく方針だ。

また、2017年に打ち出した「iid 5G Mobility」戦略(自動車業界における第5次モビリティ革命を支援する取り組み)についても、今後の動向が注目される。業務提携先のジゴワッツと共同開発した「バーチャルキー」については、民間企業や行政機関での採用が2020年以降相次いでおり、いよいよ普及期に入ろうとしている。2020年2月に初めて民間のカーシェアリングサービスに採用されて以降、同年5月にNTT東日本(東日本電信電話(株))のカーシェアリングサービス「ノッテッテ」、同年9月に中古車事業「Gulliver(ガリバー)」を運営するIDOM
7599が提供する「ガリバースマートローン」に採用されたほか、その後も福井県が嶺南地域で取り組んでいる「EVによるVPP(仮想発電所)及びカーシェア実証事業」や、バリュートープ(株)が開始する「オールタイムレンタカー」サービス(20台予定)、(株)湘南ベルマーレとCaaS(Car-as-a-Service) 事業を展開する(株)IDOM CaaS Technologyが共同で行うコミュニティカーシェアサービス「ベルマーレカーシェア」などに導入され利用され始めている。同社は「バーチャルキー」の月額利用料の一定率をロイヤリティ収入として受け取るため、導入台数が増えればストック収益として貢献することになる。今後数年間でバーチャルキーはレンタカー市場(2020年3月末現在約92万台:全国レンタカー協会調べ)やカーシェアリングサービス事業者、法人向け業務用車両などでの普及が期待され、中長期的に同社の収益に貢献するものと期待される。

また、2021年1月にはCASEやMaaS、スマートシティに関わるニュース及びセミナー情報を提供するビジネス向けの会員制メディア「mirai.Response」をオープンした。自動車業界では今後CASEやMaaSなどをテーマに市場環境が大きく変わろうとしており、業界関係者の注目度も年々高まっている。同メディアを通じて関心のある企業同士のマッチングや有望な技術を持つスタートアップ企業に出資するなど、新たな収益機会が増加していくものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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