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オンコリス Research Memo(1):テロメライシンは国内外で複数の臨床試験が2021年に進む見通し


*15:11JST オンコリス Research Memo(1):テロメライシンは国内外で複数の臨床試験が2021年に進む見通し
■要約

オンコリスバイオファーマ
4588は、腫瘍溶解ウイルスによる新規がん治療薬(テロメライシン)や新規がん検査薬(テロメスキャン)の開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャーである。開発品の上市実績はまだないが、2019年4月に中外製薬4519とテロメライシンに関する独占的ライセンス契約及び資本提携契約を締結し、テロメライシンの2023年以降の承認申請に向けた臨床試験が進んでいる。

1. テロメライシンの開発動向
テロメライシンの開発については国内で導出先の中外製薬が、米国で同社(医師主導治験)が複数の臨床試験を進めている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、当初のスケジュールからは全体的にやや遅延しているものの、開発は着実に進めていく予定となっている。国内で進んでいる食道がんを対象とした放射線併用療法での第2相臨床試験は、先駆け審査指定制度※を活用して2023年以降に中外製薬が承認申請を目指している。中外製薬ではこの他にも、食道がん(化学放射線療法併用)、肝細胞がん、頭頸部がんを対象とした併用療法での第1相臨床試験にも取り組んでいる。

※先駆け審査指定制度とは、対象疾患の重篤性など一定要件を満たす画期的な新薬などについて、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)が薬事承認に関する相談・審査を優先的に取り扱い、承認審査期間を短縮することで早期実用化を目指すもの。通常は、承認申請から12ヶ月程度を目標に審査を行うが、同制度を活用することで審査期間を6ヶ月程度に短縮することが可能となる。テロメライシンは2019年4月に指定された。


一方、米国での臨床試験は、食道がん(化学放射線療法併用)、胃がん、頭頸部がんを対象とした医師主導の第1相または第2相臨床試験が進められている。同社は中外製薬と日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約と、日本・台湾・中国・香港・マカオを除く地域での開発・製造・販売に関する独占的オプション権を付与する独占的ライセンス契約を2019年4月に締結(ライセンス契約の総額は500億円以上)していることから、これら臨床試験の結果が良好であれば、中外製薬がオプション権を行使し、グループ会社である米Genentech, Inc.(以下、ジェネンテック)が開発を引き継いで進めていく可能性がある。なお、中国・香港・マカオについては、同社は2020年6月に導出先であったハンルイ※との契約を解消しており、新たな企業(中外製薬含む)と2021年内に導出契約の締結を目指している。

※江蘇恒瑞医薬股フン有限公司(ハンルイ)は中国の大手製薬メーカーで、がん治療薬ではトップ企業。


そのほか、2020年12月には朝日インテック
7747と資本業務提携契約を締結。今後、テロメライシンの投与に最適なデバイスを開発していく予定となっている。利便性の良いカテーテルを開発することによって、テロメライシンの普及促進を目指す。

2. その他パイプラインの動向
テロメライシンよりも腫瘍殺傷効果の高い次世代テロメライシン「OBP-702」については、骨肉腫や直腸がん、すい臓がん等を対象に放射線や免疫チェックポイント阻害剤等との併用療法で開発を進めていく方針だ。既に前臨床試験をスタートしており、2022年内に米国でIND申請を行い、早期のPOC(Proof of Concept)※取得を目指す。また、COVID-19(以下、新型コロナウイルス感染症)治療薬に関しては、複数の候補化合物の中から「OBP-2011」に絞り込み、経口剤として無症状から中等症までの患者を対象とした開発を進めていく方針を明らかにした。2022年に治験申請を行い、2023年までにPOC取得を目指す。そのほか、「OBP-601」については2020年6月に米Transposon Therapeutics, Inc.(以下、トランスポゾン社)と主に神経変性疾患(ALS、アルツハイマー病等)を対象にした治療薬の開発を目的として、総額3億米ドル以上の全世界における再許諾権付き独占的ライセンス契約を締結した。トランスポゾン社では2021年内にも米国での臨床試験開始を目指している。また、がん検査薬となるテロメスキャンについては、AI技術を活用した精度の高い診断が可能となる自動解析システムを開発中で、将来的に同システムをプラットフォーム化して展開していく戦略となっている。

※POC:基礎的な研究で予想された薬の効果が、実際に動物またはヒトへの投与試験により証明されること。


3. 業績動向
2020年12月期の売上高は前年に計上したライセンス契約一時金等が減少したことで、前期比75.9%減の314百万円、営業損失で1,674百万円(前期は511百万円の損失)となった。2021年12月期は売上高で350~700百万円、営業損失で1,650~2,000百万円を見込んでいる。売上高についてはテロメライシンに関する中国圏での導出契約の有無や、国内外での開発状況による変動要因を見込んでいる。また、費用面では研究開発費が増加する見通しとなっている。2020年12月期末の現金及び預金は2,067百万円となっているが、当面は2021年1月に発行した新株予約権の行使により資金を調達していく予定にしている。

■Key Points
・テロメライシンの開発進捗はコロナ禍の影響を受けるも、国内外で複数の臨床試験が進む
・新型コロナウイルス感染症治療薬の開発に着手、2023年までに幅広く利用可能な経口剤としてPOC取得を目指す
・2021年12月期も研究開発費が先行する見通し、テロメライシンの中国圏でのライセンス契約締結を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)





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