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オンコリス Research Memo(2):ウイルス製剤を用いた抗がん剤及びがん検査薬の事業化を目的に設立


*15:12JST オンコリス Research Memo(2):ウイルス製剤を用いた抗がん剤及びがん検査薬の事業化を目的に設立
■会社概要

1. 会社沿革
オンコリスバイオファーマ
4588は、2004年に設立されたバイオベンチャーで、「Virology(ヴィロロジー/ウイルス学)に立脚した創薬」を事業コンセプトとして、がんと重症感染症を対象に研究開発を進めている。

創業のきっかけは、現代表取締役社長の浦田泰生(うらたやすお)氏と現在の岡山大学消化器腫瘍外科の藤原俊義(ふじわらとしよし)教授との出会いによるものであった。藤原教授は腫瘍溶解ウイルスの一種であるアデノウイルスを用いた抗がん剤となるテロメライシンの開発、及び事業化を目的とした企業設立を検討しており、そのための経営者を探していた。当時、大手企業の医薬品事業部に在籍し、同様のアイデアを持って抗がん剤の開発を考えていた浦田氏と出会い、共同で創業することとなった。このため、創業段階ではテロメライシン及びテロメライシンにクラゲが持つ発光遺伝子(以下、GFP)を組み入れたがん検査薬であるテロメスキャンの事業化を目的として同社が設立された。

その後、パイプラインを拡充するため2006年に米Yale大学からHIV感染症治療薬候補となる「OBP-601」、2009年にはアステラス製薬
4503から新規分子標的抗がん剤「OBP-801」のライセンス導入を行い、研究・開発に着手した。「OBP-601」に関しては、2010年に米Bristol-Myers Squibb Co.(以下、BMS)にライセンスアウトしたが、BMSの事業戦略変更に伴い2014年4月にライセンス契約が解除された。しかし、2020年6月にトランスポゾン社と神経変性疾患を対象とした全世界の再許諾権付き独占ライセンス契約を締結している。そのほか、同年6月に鹿児島大学と共同で新型コロナウイルス感染症治療薬の開発に着手することを発表している。

テロメライシンに関しては、2008年に台湾のMedigen Biotechnology Corp.(以下、メディジェン)と戦略的提携契約を締結したほか、2019年4月には中外製薬と日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約、及び日本・台湾・中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外製薬へ付与するライセンス契約を締結するとともに、資本提携契約(同社株式を45.66万株保有(出資比率3.12%))を締結した。なお、2016年11月に中国のハンルイと中国・香港・マカオを対象とした開発・製造・販売に関する独占ライセンス契約を締結したが、2020年6月に解消しており、現在、中外製薬を含めた複数の大手企業と導出に向けた協議を行っている。

一方、がん検査薬となるテロメスキャンに関しては、2012年に国内で研究目的の受託検査サービスを開始し、海外では2015年に米ペンシルベニア大学発のバイオベンチャー、Liquid Biotech USA,Inc.(以下、リキッド)とライセンス契約を締結し、北米での事業展開に関する業務提携を発表している。なお、2014年にテロメスキャンの改良型であるテロメスキャンF35について、韓国のWONIK CUBE Corp.(以下、ウォニック)と韓国内における独占的ライセンス契約を締結していたが、2019年11月にWONIKの経営戦略変更(医療分野からの撤退)によって、契約を解消している。

2. 事業内容
同社の事業セグメントは、医薬品事業と検査事業で構成されている。医薬品事業は、がんや重症感染症などの難病を対象に安全で有効な新薬を創出すること、また、検査事業ではウイルスの遺伝子改変技術を生かした新しいがん検査薬の事業展開を図ることを基本的な事業方針としいる。なお、検査事業については現在、AI技術を活用した精度の高い検査システムを開発中であり、当面は同システムの開発を優先課題として取り組んでいく方針としたことから、2021年12月期からは事業セグメントを創薬事業に一本化する。

医薬品事業では、大学等の研究機関や企業から新たな医薬品候補を導入し、同社で前臨床試験及び初期臨床試験を実施して、その製品的価値の初期評価であるPOCを取得後に大手製薬企業・バイオ企業にライセンスアウトし、契約一時金収入、開発進捗に応じたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティ収入を獲得する収益モデルとなっている。医薬品候補の製造に関しては外部に委託している。

一方、検査事業では、同社が開発した検査用遺伝子改変ウイルスを用いた検査システムを検査ユニットとして検査会社・医療機関などに提供し収入を獲得していたが、検査工程で時間を要することが普及の阻害要因となっていたことから、現在、AI技術による自動検出・解析システムを開発中であり、同システムの完成後にプラットフォームとして、検査会社や医療機関などに提供していく戦略となっている。消耗品となる検査用ウイルスキットの販売や、プラットフォーム利用料で収益を獲得していくビジネスモデルとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)





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