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日本株

オンコリス Research Memo(9):2020年12月期業績は契約一時金等が減少し減収に


*15:19JST オンコリス Research Memo(9):2020年12月期業績は契約一時金等が減少し減収に
■業績動向と財務状況

1. 2020年12月期の業績概要
オンコリスバイオファーマ
4588の2020年12月期の売上高は前期比989百万円減少の314百万円となり、営業損失は同1,163百万円損失増加の1,674百万円、経常損失は同1,184百万円損失増加の1,723百万円、当期純損失は同1,182百万円損失増加の2,095百万円となった。

売上高についてはメディジェンからのテロメライシンに係る開発協力金収入※に加えて、トランスポゾン社との「OBP-601」の新規ライセンス契約締結に伴う契約一時金収入、岡山大学からの次世代テロメライシン「OBP-702」に関する業務請負収入等を計上した一方で、中外製薬からのテロメライシンに係る契約一時金やマイルストーン収入等が無く減収要因となった。

※テロメライシンに関する開発費用の負担軽減を目的にメディジェンとの共同開発契約の改定を2017年3月に実施。従来、対象を肝細胞がんのみとしていたのに対して、新たに食道がんとメラノーマの共同開発権も付与した。以降、食道がん、メラノーマの研究開発費用の一部をメディジェンから開発協力金として受領している。


一方、費用面では研究開発費等が次世代テロメライシン及び新型コロナウイルス感染症治療薬等の開発着手などによって、前期比380百万円増加の1,050百万円となり、減収による利益減とともに営業損失の拡大要因となった。なお、特別損失として米Unleash Immuno Oncolytics,Inc.(以下、アンリーシュ)から引き受けた転換社債321百万円を全額、投資有価証券評価損として計上したほか、転換社債に係る未収利息分35百万円を貸倒損失として計上している。

アンリーシュは、転移がんに適応できる全身投与可能(点滴注射)な遺伝子改変アデノウイルスの開発を行うベンチャー企業で、同社は次世代テロメライシンの開発強化を目的に2018年2月に資本提携を行った※。ただ、遺伝子改変アデノウイルスの開発に時間を要しているほか、資金調達を含めた事業計画も遅延している状況にあり、今回、保守的な会計方針に則り損失計上することとした。アンリーシュの技術力そのものは同社でも高く評価しており、引き続き提携関係を継続していく。このため米国に2020年4月に新設した研究開発を目的とした子会社、OPA Therapeutics Inc.の社長であるFrank Tufaro氏をアンリーシュの会長として送り込み、資金調達の実行による経営の安定化と遺伝子改変アデノウイルスの完成に取り組んでいく方針となっている。

※同社が現在、進めている第3世代テロメライシンの開発と方向性が合致することから資本提携に至った。同社はアンリーシュの転換社債3百万米ドルを引受けており、すべて転換した場合の議決権比率は約27%となる見込み。


Tufaro氏は腫瘍溶解ウイルスの研究開発に長く携わっているドクターであり、世界初となるヘルペスウイルスを用いた臨床試験を行い、また、その後もアデノウイルスを用いた臨床開発を行うなど、豊富な経験と実績を持つ。現在、アンリーシュでの開発状況は、完成まで8合目まで来ている状況のようで、遺伝子改変等による開発を進めている。同技術が完成すれば、現在は局所投与にとどまっているテロメライシンが、全身投与による全身転移がんにも効果が可能となる第3世代テロメライシンとしての開発が期待され、これまでにない新規メカニズムのウイルスに変貌する可能性もあるだけに、今後の開発動向に注目したい。


2021年12月期も研究開発費が先行する見通し、テロメライシンの中国でのライセンス契約締結を目指す
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の業績見通しは新型コロナウイルス感染症拡大の先行きが不透明なため、レンジ形式で開示している。売上高は350~700百万円、営業損失、経常損失、当期純損失はそれぞれ1,650~2,000百万円となる見通しだ。

売上高についてはメディジェンからの開発協力金、中外製薬向けのテロメライシンの治験薬販売、岡山大学向け次世代テロメライシンの開発請負収入に加えて、中国でのテロメライシンのライセンス契約の締結有無などが変動要因となる。また、「OBP-702」や新型コロナウイルス感染症治療薬の新たな契約締結に向けたビジネス活動も推進していく予定となっている。

一方、費用面では「OBP-702」や新型コロナウイルス感染症治療薬の開発費用増加、また、テロメライシンの上市に向けた製法開発等の研究開発費用の増加を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)





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