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富士ソフト Research Memo(1):1970年設立で創立50周年を迎えた独立系大手ITソリューションベンダー


*15:31JST 富士ソフト Research Memo(1):1970年設立で創立50周年を迎えた独立系大手ITソリューションベンダー
■要約

1. 会社概要と事業内容
富士ソフト
9749は、1970年5月設立の独立系大手ITソリューションベンダーである。そのルーツは、現在の同社取締役会長執行役員である野澤宏(のざわひろし)氏が自宅で自身に加え2名の社員とともに開業した株式会社富士ソフトウエア研究所であり、設立50周年を迎えた今、連結子会社28社、持分法適用非連結子会社2社、持分法適用関連会社2社で構成される連結従業員数1万4千人超(2020年12月末現在)のグループにまで発展している。

報告セグメントは、SI事業(システム構築とプロダクト・サービス)、ファシリティ事業、その他事業の3つから成る。主力のSI事業では組込系/制御系及び業務系ソフトウェア開発を軸に多彩なソリューションメニューを提供、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他事業はBPOサービスやコンタクトセンター、再生医療等を行っている。

2. コアコンピタンスは「技術力と提案力」
同社は、自社が顧客から選ばれる理由を「日々進化し続ける高い技術力と提案力にある」としている。自動車や半導体製造装置など極めて高い精度が要求される組込系/制御系ソフトウェアの開発を通じて得た先進技術ノウハウと幅広い業種向けへのソリューション提供で培われたシステム構築力、独立系ならではの柔軟なプロダクト提供力などに裏打ちされた「技術力と提案力」を自社のコアコンピタンスとすることへの納得度は高い。

3. リーマン・ショックからの回復期において財務体質強化と成長ポテンシャル増強を両立
同社は、リーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、財務体質強化と成長ポテンシャル増強を両立したことは高く評価できる。

具体的には、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2017年12月期末59.9%、流動比率が同96.4%→同184.9%、純有利子負債(有利子負債-現金及び預金)が同21,295百万円→同6,204百万円のキャッシュ超過など、代表的な財務指標の健全化を実現したうえで、2015年12月期以降の新卒中心の大量採用により、連結従業員数は同9,415人→同13,556人と1.4倍にまで拡大した。単体ベースの認定技術者比率(同社制度に基づく認定スペシャリストと認定プロジェクトマネージャーの合計数が全従業員数に占める比率)も2014年12月期末22.8%→2020年12月期末30.1%と上昇しており、人材面から見た成長ポテンシャルは質・量ともに拡充されていることが読み取れる。

こうした結果、その後2019年12月期にかけては前期比2ケタ増収・増益を継続、2020年12月期もコロナ禍のなかで同4.3%増収を確保、同20.4%営業増益を実現している。2020年12月期の財務指標については、自己資本比率が50.7%(前期末比3.4ポイント低下)、流動比率が153.3%(同29.6%低下)と悪化しているが、コロナ禍の影響を踏まえた財務戦略(短期資金調達による現金及び預金の積み増しと長期借入金の返済)によるところが大きく問題視する必要はない。実際、純有利子負債は6,341百万円と前期末に比べ1,157百万円減少しており、健全な財務体質を維持している。また、人材面では、連結従業員数が14,422名、単体ベースの認定技術者比率が32.0%となっている。

4. 2021年12月期の連結業績予想は、前期比3.3%増収・同2.1%営業増益を見込む
同社による2021年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比3.3%増の249,000百万円、営業利益が同2.1%増の16,300百万円、経常利益が同3.4%増の16,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.8%増の8,900百万円と、2013年に12月期決算へ移行してから実質的に8期連続での増収・営業増益を見込んでいる。

2ケタ増益であった2020年12月期実績に比べ、物足りない業績予想にも見えるが、同社は2015年12月期以降、3%程度の増収見通しと前期実績並みの営業利益率を前提とした期初会社計画を掲げるパターンを継続している。今回についても、会社計画は必達目標との位置づけと考えられ、ネガティブ視する必要はないであろう。

配当予想は、2020年12月期の年間51円/株(第2四半期末に創立50周年記念配5円/株を含む28円/株、期末に23円/株)から年間50円/株(第2四半期末に25円/株、期末に25円/株)としている。見掛け上は6年振りの減配だが、記念配を除くと、中間配・期末配ともに2円/株の増配計画となっている。また同社は、通期業績の上振れを受けて2016年12月期から2019年12月期まで4期連続で期末配当を期初予想から引き上げており、2021年12月期においては、どの様な対応が成されるかに注目したい。

■Key Points
・1970年設立の独立系大手ITソリューションベンダー。積極的な人材投資と補完的M&A戦略が奏功し、売上高1,000億円の壁を大きく突破、2020年12月末の連結従業員数は1万4千人超
・コアコンピタンスは豊富な実績と企業理念に裏打ちされた「技術力と提案力」。リーマン・ショック後の業績低迷期を経て、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強を実現しており、イノベーション企業グループを目指した「挑戦と創造」を継続している
・2020年12月期業績は5期連続で期初会社計画を超過達成。2021年12月通期業績は実質的に8期連続での増収・営業増益を見込む

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)





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