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日本株

サイバーコム Research Memo(5):2020年12月期はコロナ禍の影響で減収も、営業利益は過去最高を更新


*15:05JST サイバーコム Research Memo(5):2020年12月期はコロナ禍の影響で減収も、営業利益は過去最高を更新
■業績動向

1. 2020年12月期業績の概要
サイバーコム
3852の2020年12月期の売上高は前期比2.1%減の13,672百万円、営業利益は同10.9%増の827百万円、経常利益は同12.2%増の842百万円、当期純利益は同1.9%減の549百万円となり、期初計画に対しては売上高で8.9%下回ったものの、各利益はそれぞれ上回って着地し、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。

売上高はコロナ禍の影響によるシステム開発時期の延伸や中止などが発生し、主力のソフトウェア開発事業で前期比5.2%減と減収に転じたことが前期比、並びに会社計画比での減収要因となった。一方、利益面では新入社員研修費用の増加で99百万円(人員増やオンライン研修の導入など)、東京オフィス開設費用及び我孫子オフィス移転費用の計上で25百万円の減益要因となったが、リモートワーク体制導入に伴う交通費や通勤費の減少で60百万円、オフィス環境整備費用の減少で56百万円、各種イベント開催見送りによる費用減で31百万円、その他諸費用の削減で58百万円の増益要因となり、売上高の減少分を生産性向上と費用削減効果でカバーした格好となった。なお、特別損失として新型コロナウイルス感染症対策費用40百万円を計上している。具体的には、感染防止対策費用に加え、新入社員研修をオンラインでの在宅研修に切り替えたことによる機材及び寮のキャンセル料などが含まれている。なお、当期純利益の減益要因は、前期に適用された税制優遇措置がなくなり、実効税率が前々期の水準まで戻ったことが主因となっている。


ソフトウェア開発事業の通信分野とサービス事業が2ケタ増収と好調

2. 事業セグメント別動向
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の売上高は前期比5.2%減の10,694百万円、セグメント利益は同3.8%減の1,565百万円と減収減益となった。通信ソフトウェア分野が5G関連を中心に好調に推移したものの、コロナ禍の影響で制御ソフトウェアや業務ソフトウェア分野において、開発案件の延伸や中止の影響が出たことが要因だ。

分野別の動向を見ると、通信ソフトウェア開発は、売上高で前期比28.9%増の2,323百万円、セグメント利益で同50.3%増の318百万円と2ケタ増収増益となった。通信端末等のその他通信向けの売上高は同2.6%減と低調だったものの、通信基盤向けが5G並びにローカル5G案件等の増加に伴い同42.9%増と大きく伸長し、収益増に貢献した。

制御ソフトウェア開発は、売上高で前期比17.6%減の2,721百万円、セグメント利益で同0.6%減の411百万円と減収減益に転じた。これまで成長を続けてきた車載向けが、コロナ禍の影響や一部内製化の動きもあって同18.4%減となったほか、その他制御ソフトウェアについても全般的に開発案件が減少し、同16.4%減と落ち込んだ。利益面では、生産性の向上や経費削減効果等により若干の減益にとどまっている。

業務ソフトウェア開発は、売上高で前期比8.5%減の5,649百万円、セグメント利益で同16.6%減の836百万円となり、制御用ソフトウェアと同様に減収減益に転じた。前期から続いた生命保険会社向けの大型開発案件が第1四半期で終了したことが主な減収要因で、同要因を除けば前期並みの水準だったと見られる。業界別で見ると、金融向け、エネルギー向け、その他業務系が減少した一方で、情報通信、製造業向けが前期比2ケタ増と好調に推移した。製造業向けに関してはIoTを活用した生産管理システム等の開発案件が旺盛だった。

(2) サービス事業
サービス事業の売上高は前期比11.0%増の2,926百万円、セグメント利益は同26.0%増の416百万円となった。SIサービス(サーバ/ネットワーク構築、保守・運用、評価検証サービス)において、社会インフラ及び官公庁、金融系を中心とした仮想化、クラウドへの移行案件、ネットワーク構築案件、携帯電話の5G基地局検証案件等が好調に推移した。

また、売上規模は小さいものの、自社プロダクトである「Cyber Smartシリーズ」製品は、導入件数増加に伴うクラウドサービス及び年間保守料の増加などにより堅調に推移した。2019年8月より販売を開始したクラウドVPNサービス「楽々セキュアコネクト」も、低コスト※かつ手軽にリモートワーク環境を構築できることから契約件数も徐々に増加している。2020年7月に販売を開始した位置情報ソリューション「Cyber Position Navi」については、オフィスのフリーアドレス化や物流センターでのトラックの運行管理など様々な問い合わせが来ており、今後の導入が期待される状況となっている。

※2020年3月より価格改定を実施。初期費用は無料とし、月額サービス利用料のみとした。月額利用料は利用人数に応じて1人当たり700円(50名以上)、900円(30~49名)、1,300円(10~29名)、1,800円(5~9名)となる。



無借金経営により財務の健全性は高く、ROEも10%以上を維持

3. 財務状況と経営指標
2020年12月期末における資産合計は前期末比529百万円増加の9,708百万円となった。 主な増減要因を見ると、流動資産では受取手形及び売掛金が222百万円減少した一方で、現金及び預金が90百万円、短期貸付金(富士ソフト向けCMS※貸付金)が697百万円増加した。また、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が3百万円、ソフトウェアが17百万円減少した。

※CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とは、企業グループ全体の資金の状況を可視化し、資金の無駄遣いの防止や、資金の不足・不正など、資金に関わる様々なリスクに対応するための管理システムを言う。 CMSを活用することにより、親会社は、企業グループ全体の資金を一元的に管理することが可能になり、資金効率の向上や内部統制の強化を図ることができる。


負債合計は、前期末比117百万円増加の4,224百万円となった。主な変動要因を見ると、流動負債では未払費用が156百万円減少した一方で、未払金が38百万円、未払消費税等が30百万円増加した。また、固定負債では退職給付引当金が218百万円増加した。純資産は前期末比412百万円増加の5,484百万円となった。配当金の支払及び当期純利益の計上により、利益剰余金が412百万円増加した。

経営指標を見ると、無借金経営であり自己資本比率は前期末の55.3%から56.5%に上昇、流動比率についても200%の水準を上回って推移している。現金及び預金の水準は9億円強となっているが、CMS貸付金を含めると29億円強と年々増加しており、財務の健全性は高いと判断される。また、収益性に関してはROEが10.4%と前期比で若干低下したものの、同社が目標とする10%以上の水準は維持しているほか、売上高営業利益率も6.1%と安定した推移となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《YM》

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