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日本株

RSテクノ Research Memo(8):4ヶ年の中期経営計画を発表、年平均成長率で2ケタ成長を目指す(1)


*15:58JST RSテクノ Research Memo(8):4ヶ年の中期経営計画を発表、年平均成長率で2ケタ成長を目指す(1)
■今後の見通し

2. 中期経営計画
RS Technologies
3445は4ヶ年の中期経営計画を発表している。2024年12月期の業績目標としては、売上高で37,100百万円、営業利益で7,900百万円としている。2024年12月期までの4期を平均成長率で見ると売上高で10%成長、営業利益で15%成長となる。半導体市場全体では年率5%の成長を前提としているが、同社は業界平均を上回る成長を目指していることになる。ウェーハ再生事業及び半導体関連装置・部材等事業については需要拡大に対応した設備投資の実施により堅調な売上推移を見込む一方で、中国プライムウェーハ事業については、中国新工場の生産拡大による販売増加によって高成長を目指している。

(1) ウェーハ再生事業
ウェーハ再生事業については、12インチ再生ウェーハの旺盛な需要に対応するため、日本及び台湾での能力増強に加えて、2022年より中国の合弁会社、SGRS※の徳州工場で量産を開始する。12インチ再生ウェーハの月産能力はグループ全体で2020年12月期末の42万枚から2023年12月期末には55万枚に拡大することになる。2020年8月時点の計画では2020年12月期末は40万枚だったが、国内、台湾ともに生産効率の改善により各1万枚上積みした。また、2021年は設備投資計画の前倒しにより、国内、台湾合わせて4万枚を増強する計画だ。

※2020年3月に同社とGRINM、徳州市政府系ファンドの合弁会社として設立された。12インチプライムウェーハの製造販売及び12インチウェーハ再生事業を行う。


設備投資計画について見ると、国内は2021年に9億円、2022年に5億円、2023年に未定となっており、台湾については2021年に8億円、2022年に3億円、2023年に3億円の計画となっている。また、中国については2021年に30億円、2022年に5億円、2023年に1億円としている。中国では半導体産業を国策として育成していく方針で、12インチウェーハの半導体工場の新設計画も地域別では最も多く計画されており、再生ウェーハの需要も想定以上のスピードで拡大する可能性がある。なお、2022年以降に中国で量産が開始されれば、現在国内から中国へ輸出している分を徳州工場からの出荷に切り替え、国内工場で余った能力について日本・アジア・欧米に振り向けていくことにしている。

中国での12インチ再生ウェーハの新たな競合として、フェローテックホールディングス
6890の中国子会社が2021年4月以降に月産能力12万枚の工場を竣工し、量産を開始する予定であることを発表している。このため、競争激化が予想されるものの、同社は技術面、品質面での優位性から今後も中国国内でシェアを維持することが可能と弊社では見ている。

(2) プライムシリコンウェーハ製造販売事業
プライムシリコンウェーハ製造販売事業では、2020年10月に山東GRITEKの新工場が竣工した。8インチウェーハの月産能力について、従前の8万枚に加えて新設した5万枚の製造ラインを順次稼働し、2022年初頭には月産13万枚での安定した量産体制を目指す。2020年8月時点の計画では月産12万枚であったが、歩留まりの向上に伴い既存ラインの能力が1万枚増強されている。

また、SGRSでは12インチプライムウェーハの量産化に向けた研究開発を進めている。現状はモニタ用として利用できる水準まで仕上がっており、少量ながらもモニタ用としての販売を行っている。2021年は設備投資40億円をかけ月産1万枚規模のテストラインを整備し、量産に向けた研究開発を推進していく。今後プライムウェーハとしての品質と量産技術を確立したうえで、2022年後半ごろに量産ラインの工場を整備していく考えだ。目標とする月産能力30万枚の設備を整備するためには1千億円規模の投資が必要となる。そのため、資金負担と事業リスク軽減を目的に当初はGRINM、徳州市政府系ファンドとの合弁会社(同社の出資比率は19.99%、持分法適用関連会社)で事業を開始することになるが、将来的には連結子会社化することも視野に入れていると思われる。

なお子会社のGRITEKについて、2020年9月に中国版ナスダックと呼ばれる上海証券取引所の新興企業向け市場(科創板市場)への上場準備を開始したことを発表している。株式上場により資金調達の多様化とブランド力の向上、優秀な人材の採用を図り、事業基盤を強化することで更なる成長を目指す。同時に、同社グループの企業価値向上を図ることが目的となっている。株式上場後も同社が過半の支配権を有し、連結対象子会社を維持していく方針となっている。

GRITEKの子会社に8インチプライムシリコンウェーハ製造販売事業を手掛ける山東GRITEK(出資比率80%がGRITEK、ほか20%は徳州市政府が出資)があり、12インチについてはプライムウェーハ製造販売とウェーハ再生事業をSGRSで担っていくことになる。プライムウェーハ事業については競合が多く、ローカル企業も台頭しているが投資を回収する段階には至っていない。同社は半民半官企業として事業を展開することで政府からの優遇措置を受けられること、また8インチプライムウェーハやウェーハ再生事業で既に多くの顧客企業を抱えていることから、12インチプライムウェーハ事業で収益化していくことは可能と弊社では見ている。

中国の半導体業界については、米中通商問題の動向如何によっては事業リスクが残るものの、中国政府は半導体産業を国策として育成していく方針を変えていない。液晶ディスプレイ市場では既に中国がトップシェアとなっており、半導体市場においても年々中国企業のシェアが上昇していくものと予想される。中国半導体企業の世界シェアは2015年の約3%から2019年には約5%に上昇しており(ファブレス企業含む)、数年後には10%を超えてくるものと弊社では見ている。このため中国内におけるプライムウェーハや再生ウェーハの成長ポテンシャルも大きく、同社にとっても中長期的に業績を飛躍させるチャンスが到来していると言え、今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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