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日本株

ブイキューブ Research Memo(9):売上高153億円、営業利益35億円を目指す中期経営計画は順調に進捗


*15:29JST ブイキューブ Research Memo(9):売上高153億円、営業利益35億円を目指す中期経営計画は順調に進捗
■今後の見通し

3. 中期経営計画
(1) 基本方針と業績目標
ブイキューブ
3681は2020年11月に3ヶ年の中期経営計画(2020-2022)を発表した。「Beyondテレワーク」をタイトルとして掲げ、コロナ禍が収束したとしても、また、テレワークの需要が一巡したとしても、映像コミュニケーションツールの利活用は社会の様々な領域で広がりを見せ、こうした需要を取り込むことで持続的な成長を目指していく方針となっている。

中期経営計画の基本方針は以下の3点となる。
1) 経営ミッションとする「Evenな社会の実現」に向けて、テレワークの定着実現と共に、リモートを活用したコミュニケーションDXによる生産性・生活の質の向上を実現する
2) 新規事業領域の創出による、グループ全体の持続的な成長の実現
3) 企業価値の最大化の為の業績向上と株主還元

また、業績目標値については2022年12月期に連結売上高135億円、営業利益35億円、親会社株主に帰属する当期純利益27億円、ROE35%以上を掲げている。売上高の内訳について見ると、イベントDX事業が81億円と最大事業に成長し、エンタープライズDX事業については「SDK」や緊急対策ソリューションなど用途特化型ソリューションの成長により54億円に、サードプレイスDX事業は19億円にそれぞれ拡大する計画となっている。初年度となった2020年12月期の業績については、既述の通り売上高、各利益ともに計画を上回り、順調な滑り出しとなっている。2021年12月期の業績見通しについても保守的な前提となっていることから、計画を上回るペースでの進捗が期待される。

(2) 事業戦略
a) エンタープライズDX事業
汎用Web会議サービス領域については、コロナ禍による市場拡大が一巡し成熟期に入るなか、同社ではキャッシュカウとして安定収益を見込んでいる。レッドオーシャン領域ではあるものの、24時間365日サポート体制によるサービス面での差別化を図ることで、一定水準の売上を維持できると見ている。ただ、ユーザーのネットリテラシーが全体的に上昇することに加え、ツールの機能がさらに向上することでサポート体制の必要性が薄まった場合は、売上を維持することが難しくなる可能性もある。

一方で、伸びが期待できる領域として、フィールドワークや緊急対策ソリューションなど用途特化型ソリューションを挙げており、売上拡大に注力していく。緊急対策ソリューションについては、まだ未導入の自治体も多く、行政のDX化の一環として整備・導入が進む可能性があり、潜在的な需要は大きい。同社のサービスは、自治体とのネットワークを持つNTTグループ各社が代理店となっており、これら代理店を通じた導入が進むものと期待される。また、顧客サービス領域では、「SDK」に開発サポート等を付加することで顧客事業のDX化を支援していくほか、営業・開発体制の強化を図り、売上拡大を目指していく。

b) イベントDX事業
イベントDX事業に関しては、需要に応えられるキャパシティ整備を進めていくこと及び低コストかつ高品質の配信運用サポートを提供していくことを重点戦略として掲げている。また、新サービスとして2020年11月にリリースした「EventIn」によって、双方向かつリアルに近いオンラインイベントを実施し、さらなる需要の掘り起こしを進めていく。主要市場となる製薬業界では年間約16万回のセミナーが開催されており、そのうちWebセミナーの比率は2019年の6~7%から2020年には20~30%に上昇した。開催コストはリアル開催の半分程度となっているため、将来的に70%程度までオンライン化が進む可能性があり、潜在需要としては10万回の需要が見込まれる。1回40万円としても400億円の市場規模となり、製薬業界向けだけでも成長余地は大きいと弊社では見ている。

さらに、バーチャル株主総会についても成長ポテンシャルの大きい市場として注目される。2020年はコロナ禍で株主総会をどのように開催するかが議論となり、リアルとバーチャル(オンライン)のハイブリッド方式で株主総会を実施する上場企業が増加した。バーチャル株主総会には、総会を傍聴するだけの参加型と、議決権の行使や株主質問も可能な出席型の2通りがあるが、同社は参加型だけでなく専用にシステムをつくりこむ必要がある出席型のサービスを提供しており、2020年は20数社のバーチャル株主総会を受注した。これら企業については今後もハイブリッド方式の株主総会を継続していく方針で、2021年もリピートオーダーが見込まれる。バーチャル株主総会の平均価格は100万円以上とWebセミナーよりも高くなるが、距離的な制限で今までは参加したくてもできなかった株主がバーチャル株主総会であれば参加できるため、IRに積極的な企業は出席型のバーチャル株主総会を導入していくものと予想される。上場企業数は2021年3月時点で約3,700社あり、このうち1割の顧客を獲得できればそれだけで数億円の売上となる。また、バーチャル株主総会が成功すれば、他の社内イベントでも同社のサービスが利用される可能性があり、顧客当たり売上高の増加も期待できることになる。

c) サードプレイスDX事業
「テレキューブ」については、引き続きオフィスや公共空間での設置を進めていく。顧客ニーズに応じて、1人用~4人用まで幅広い商品ラインナップを提供し、また、初期負担の少ないサブスクリプション方式での提供を強化することで収益の安定性を高めていく戦略となっている。さらに今後は、「テレキューブ」内部での付加価値アプリやサービスの実装・展開を進めていくほか、公共エリアでの予約・空間管理ソフトウェア「テレキューブコネクト」を、国内外問わず様々なサードブレイスの予約管理・運営のソフトウェアとして横展開し、グローバルなインフラサービスへと進化させていくことを目標としている。

また、「テレキューブ」の海外市場への展開についても今後の検討課題としている。米国では既に同様のサービスを展開している企業もあることから、収益化が見込める地域があれば、現地のオフィス家具メーカー等と組んで進出の機会をうかがっていくことになる。ただ、今回の中期経営計画では急拡大している国内の需要を取り込んでいくことを最優先に取り組んでいくため、海外展開での具体的な動きが出る可能性は現状では低いと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



《YM》

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