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日本株

エーバランス Research Memo(8):上方修正した2021年6月期業績見通しは保守的。なお上振れ余地あり


*15:58JST エーバランス Research Memo(8):上方修正した2021年6月期業績見通しは保守的。なお上振れ余地あり
■今後の見通し

1. 2021年6月期の業績見通し
Abalance
3856の2021年6月期の連結業績は、売上高で前期比251.9%増の23,500百万円、営業利益で同207.0%増の1,110百万円、経常利益で同253.5%増の1,080百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同103.5%増の430百万円となる見通しだ。期初計画には織り込んでいなかったVSUNの連結子会社化を主因として、売上高で17,500百万円、営業利益で810百万円、経常利益で820百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で239百万円の上積みとなった。

このうち、VSUNについては2021年6月期第2四半期に売上高で8,760百万円、営業利益で545百万円を計上しており、2021年6月期下期だけで見れば売上高で8,740百万円、営業利益で265百万円を見込んでいることになる。第2四半期は米国向けの大型案件が寄与したとはいえ、売上高・営業利益ともに保守的な印象が強く、今後、市場環境が急速に悪化するようなことがなければ、VSUNの業績は上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

一方、既存事業については、発電所の販売を継続しながら自社保有化を積み上げていく戦略へシフトしている最中である。過渡期における一時的な売上の減少をこなしながら、新規事業や物販事業のほか自家消費型ビジネスへの傾倒などを図っていく。なお、2021年3月に稼働を開始した角田市太陽光発電所を含めて、発電所の稼働が順次始まっていくことから、売電収入を原資とする利益体質へのシフトが今後も進む見通しとなっている。

その他の事業セグメントに関しては、光触媒事業で2021年6月期下期の黒字化を見込んでいる。光触媒効果を活用した抗菌・抗ウィルス製品の拡販や、医療機関、介護施設、学校施設をはじめ、ホテル、飲食店、店舗、オフィスフロアなど幅広い分野で需要が見込まれる抗菌・抗ウィルス施工サービス「光触媒LIFE」事業に注力していく。また、海外販路の拡大も検討する。

IT事業に関しては、労働生産性と価値創造力の向上により、競争力強化を支援するハード、ソフト双方のアプローチにより課題解決を図るソリューション提案を強化していく方針となっている。主なサービスラインには、調整・調査などの付加価値の低い業務から意思決定・進捗管理等の付加価値の高いコア業務へ誘導するホワイトカラーの生産性向上サービス、国内市場の縮小・少子高齢化等を原因とした国内労働人口の減少に対し働き方改革に関わるソリューションを提供するほか、機能集積されたサスティナブルな都市圏を再構築するコンパクトシティを支える都市計画の立案サービス等を推進する計画となっている。また、事業強化のためのM&A等の検討も進めていく。


VSUNの子会社化によりアジア圏における再生可能エネルギーのグローバル企業へ成長加速
2. 今後の成長戦略
同社は今後、ESG・SDGsの推進による社会価値と企業価値の両立により、アジア圏における再生エネルギーのグローバル企業を目指している。目標を実現していくうえでの戦略として、1)発電所の自社保有による安定収益、キャッシュ・フローの確保、2)適切なリスク管理のもと、海外投資の着実な推進、3)新規事業によるアップサイド(+α超過利益)の獲得——の3ステップを掲げている。

(1) 発電所の自社保有による安定収益、キャッシュ・フローの確保
同社は2030年までに、国内外を合わせて1GW規模の発電所を保有することを目標として掲げている。1GWの発電能力は原発で1基分に相当する規模となり、同社にとって売電事業は将来的に安定収益源となる。開発を推進してきた発電所は売電を開始し、ストック型ビジネスモデルの移行期から初期の実現段階へと移行しつつある。建設中の発電所が順次完工後、売電収入へと転化するため、全体の保有発電所の増加に伴い収益、キャッシュ・フローが増加し、収益基盤が拡大していく見通しだ。

前述したように、2021年3月に大規模開発となる角田市太陽光発電所が売電を開始するなど、メガソーラー発電所が相次いで稼働することで、2022年6月期以降は事業構造の転換期から、ストックビジネスの積み上げに伴い、安定的な収益拡大局面へ移行していくものと予想される。

(2) 適切なリスク管理のもと、海外投資の着実な推進
2つ目の戦略として、自社保有発電所の売電収入で獲得したキャッシュ・フローを使って、コロナ禍における適切なリスク管理のもとで電力需要が旺盛な海外市場での投資を拡大していく。既に、ベトナムでは現地企業との合弁会社でソーラー発電プロジェクト(EPC及びIPP事業)を含む複数のプロジェクトを推進してきた実績があり、JCM案件などを含め総合的な押上げを図る予定となっている。当面は需要が旺盛な東南アジア市場中心に展開していく方針だ。また、ODAプロジェクトについても積極的に応募し、案件獲得を目指していく。

またVSUNについては旺盛な需要を背景に、将来のビジョンとして生産能力増強を図るため新工場建設などを企図しているもようだ。現在は欧米市場向けが中心だが、今回の連結化が契機となり、今後は同社グループ間での共同事業なども期待できる。また、ベトナムを中心とした東南アジア市場においても太陽光発電の潜在的なニーズは大きく、VSUNの中長期的な成長余地は大きいものと考えられる。

(3) 新規事業によるアップサイド(+α超過利益)の獲得
既存事業の拡大戦略に加えて、卒FIT、蓄電池、風力開発、再生エネルギー関連のM&Aなどによる新規事業の育成にも注力していく。市場では2019年11月以降、順次買取契約期限を終える卒FIT(固定価格買取制度)に注目が集まっており、同社は卒FIT戦略として第三者保有やPPAモデル等を検討しているほか、FIT売電型に代わって自家消費型の市場拡大によって需要増加が見込まれる蓄電池事業への本格参入を企図している。

風力開発では、WWBが北海道檜山エリアで陸上小型風力発電所を開発、売電を開始しており、今後は採算性も見ながら計画的に進めていく方針となっている(設備投資額は1基当たり約30百万円)。また同社は、再生エネルギー関連で会社の方針に見合った企業があれば、事業機会としてM&Aを行う方針を示している。再生エネルギー関連、特に太陽光発電所の売電収入積み上げを目的に、採算性、保有発電所の規模、エリア等を総合的に判断し、1事業年度に1社程度を目安にM&Aを実施していく方針としているが、発電所を保有している企業を買収していくことで自社保有を加速する狙いがある。前述のとおり、実際に子会社のバローズが2021年3月にBLESSの全株式を取得し(取得額281百万円)、子会社化している。

以上の3つのステップを着実に達成することにより、ESG・SDGs経営を進めるとともに、アジア圏における再生可能エネルギーのグローバル企業を目指していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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