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日本株

シュッピン Research Memo(9):カメラ中古品市場でシェアNo.1を強固することなどで、持続的な利益成長へ


*15:29JST シュッピン Research Memo(9):カメラ中古品市場でシェアNo.1を強固することなどで、持続的な利益成長へ
■中長期の成長戦略

1. 新たな中期経営計画の公表
シュッピン
3179は、毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を更新(ローリング)しており、2021年5月に新たな中期経営計画を公表した。カメラの中古品EC市場にてシェアNo.1をより強固にし、プレゼンス(プライスリーダー)をさらに高める方向性であり、シェア拡大に伴うEC売上の持続的成長をドライバーと位置付けている。また、粗利益率の改善、販管費率の低減により、売上高の成長以上に利益成長を重視していく方針としており、特に、粗利益率については、AIMD本格稼働によるカメラ中古品粗利益率を年間0.5%pt改善するとともに、販管費についても、取引量の増加に伴って一部ロジに係る費用負担が増加するものの、増収効果や費用全般の抑制により販管費率の低減に取り組んでいく。また、生産性や効率性改善のためのIT投資を見込んでおり、1人当たりの売上高向上につなげていく方針である。それらの結果、最終年度となる2024年3月期の目標として、売上高47,844百万円(3年間の平均成長率12.1%)、営業利益2,624百万円(営業利益率5.5%)を目指していく。

2. 今後の取り組み施策
中長期目標の実現に向けて、以下の4つの価値の「シンカ」に取り組む方針である。すなわち、進価(進む価値)、深価(知識を深める価値)、真価(真実の価値)、新価(新しい価値)の追求を掲げており、それぞれについての具体的な施策のほか、今後の損益(売上高、利益)にどのような効果を及ぼすかについても考え方を示している。

1) 4つの「シンカ」と損益への影響
a) 進価(進む価値)
AIなどの最新テクロノロジーを活用し、同社ならではの新たなサービスや仕組みの導入に取り組む。特に、One to Oneマーケティングをさらに発展させ、さらなるシェア拡大でリユース市場のプライスリーダーを狙う戦略である。また、AIにより適正な販売・買取価格を設定することにより粗利益率の向上にもつなげていく。

b) 深価(知識を深める価値)
スタッフの専門性向上を追求するとともに、ECサイトの利便性のさらなる向上、コンテンツ、CGM強化により、顧客のロイヤルカスタマー化(囲い込み)を図る。また、One to Oneマーケティングをさらに深堀し、プレミアムオークションライブの実施なども計画。会員数の増加や購入単価アップにより売上成長を図るとともに、自社サイト比率80%以上のさらなる向上により販売手数料の抑制にもつなげていく。

c) 真価(真実の価値)
品揃え、価格、顧客対応、アフターサービス、情報提供の正確性に取り組み、顧客本位のブランディングをさらに強化する。中古ロレックス取扱い日本一を目指すほか、One to Oneマーケティングの質を高め、「深価」同様、会員数の増加や購入単価アップによる売上成長、自社サイト比率80%以上のさらなる向上により販売手数料の抑制にもつなげていく。

d) 新価(新しい価値)
常に創造力を培い、チャレンジを行うことで新しい価値を創造する。特に、海外M&A(グローバル展開)や新たなチャネル拡充、EC会員(約51万名)を活用した新たなストック収益の創出などに取り組み、売上成長に結び付ける。

特に、2022年3月期については、1)「進価」「深価」「真価」の3つに係る施策として「One to Oneマーケティング(フェーズ4)」、2)「真価」に係る「時計商品ラインナップ拡充」、3)「新価」に係る「販売チャネルの拡充」などに注力する方針である。

2) One to Oneマーケティング(フェーズ4)
これまで進めてきたOne to OneマーケティングとAIMD(AIによる適正な販売・買取価格の設定)をさらにブラッシュアップするとともに、AIで価格だけでなく、数多くのコンテンツ情報や商品情報の中から、顧客一人ひとりに合わせたレコメンド情報を届ける仕組み(コンテンツレコメンド)を導入し、「欲しいリスト」への登録促進へつなげ、購入への道筋を増やしていく。

3) 時計商品ラインナップの拡充
前期第3四半期から実施している戦略的な在庫投資を継続し、注力する中古ロレックスの販売拡大につなげていく。

4) 販売チャネルの拡充
4つの事業でLINE公式アカウントを開設し、さらなる利便性の向上やコンテンツの充実も予定している。特に、オンライン接客(ライブ販売)や来店予約、「LINE買取見積り」についても全事業で実施予定である。また、MapCamera公式アカウントについては、「写真を楽しんでもらう」をコンセプトとし、毎月季節にちなんだ写真を掲載するなどの工夫をこらすとともに、「販売・買取」につながる導線も完備していく。

3. SDGsの取り組み
投資家からの関心も高いSDGs(持続可能な開発目標)については、これまで同様、「価値ある大切な商品の新たな創造事業」※1と「働きやすい職場づくり」※2を通じて、社会課題の解決に向けた取り組みを自らの企業価値向上につなげていく方針である。「価値ある大切な商品の新たな創造事業」においては具体的な取り組みの1つとして、商品の梱包材も環境に配慮したものに変更していく方針を掲げている。

※1 SDGsのうち、「つくる責任つかう責任」に対応。
※2 SDGsのうち、「ジェンダー平等を実現しよう」、「働きがいも経済成長も」、「住み続けられるまちづくりを」に対応。同社では、拠点集約等によるコミュニケーションを取りやすい環境づくりや、時短勤務制度、「こころと暮らしのほっとライン」、目安箱の設置、社内専用のSNS型コミュニケーションツールの導入などを行っている。


4. フィスコの注目点
弊社でも、AIの活用や様々な価値の追求により、特定分野でさらにプレゼンスを高め、利益成長を重視していく戦略には合理性があると評価している。一方、アップサイド(上乗せ要因)として注目されるのは、M&Aを含めた海外への本格展開及び新たな収益源の創出にある。すでにテストマーケティング的に取り組んでいる海外展開については、利用者から高い評価を受けており、国内と同様、海外(現地)での買取の仕組みを確立することで新たな成長の軸となる可能性は大きい。特に、一定の顧客基盤を持つ現地企業との連携により、同社の成功モデルを融合することができれば具現性はさらに高まるものと期待できる。また、新たな収益源の創出についても、ロイヤリティー(熱量)が高く、質・量ともに充実した会員基盤を始め、愛好者にとって魅力的なコンテンツ情報が集まる仕組みを、いかに収益化に結び付けていくのかがカギを握ると見ており、同社ならではの事業モデルの確立に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)





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