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日本株

テリロジー Research Memo(6):2021年3月期業績は期初会社計画から大きく上振れて着地(1)


*15:06JST テリロジー Research Memo(6):2021年3月期業績は期初会社計画から大きく上振れて着地(1)
■業績動向

1. 2021年3月期業績は各利益が揃って過去最高を更新
テリロジー
3356の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比16.1%増の4,701百万円、営業利益が同104.7%増の540百万円、経常利益が同88.5%増の543百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同103.9%増の437百万円となった。売上高こそ創業来最高(2005年3月期6,364百万円)に届かなかったものの、各利益は揃って過去最高を更新した。2021年3月期実績を期初計画に対する達成率で見ると、売上高が112.5%、営業利益が270.1%、経常利益が271.5%、親会社株主に帰属する当期純利益が312.6%といずれも大幅に上振れて着地した。また、受注動向についても、期中受注高が前期比36.8%増の5,455百万円、期末受注残高は前期末比250.1%増の1,055百万円へと積み上がり、極めて順調な状況であった。

2021年3月期における事業部門別売上高は、ネットワーク部門の売上高が前期比80.3%増、セキュリティ部門が同1.1%減、モニタリング部門が同21.5%減、ソリューションサービス部門が同10.7%増であった。

ネットワーク部門好調の背景としては、1)米国Infoblox製のDHCP/DNSアプライアンス(IPアドレス管理サーバ「Infoblox」)が買い替え期に入り、国内で500台程度納入済みの現行モデルからセキュリティ機能を備え付加価値が高められた新モデルへの買い替えが221台発生した、2)テレワーク等の導入による企業内でのWi-Fi利用やGIGAスクール構想が推進されるなかでクラウド型無線LAN「米国Extreme Networks
EXTR(旧Aerohive)」製品の導入が進んだ、3)2021年3月期から販売を開始した「Radware」製品について、前代理店からの顧客巻き取りが堅調に推移したことなどが挙げられる。

なお、同社が取り扱う「Radware」の主力プロダクトは、1)「サービス停止攻撃」とも呼ばれるDoS/DDoS攻撃を自律的に防御するDDoS対策機器・サービス、2)日本市場で多くの実績を誇るロードバランサー(サーバへの負荷を分散し安定的に稼働させる製品)、3)回線負荷分散のデファクトスタンダードとされるマルチホーミング機器、4)業界最高のWebアプリケーションセキュリティを実現するクラウドWAFサービス、5)自動化された脅威(Bot)からWebアプリケーション、モバイルアプリケーション、APIといったすべてのチャネルを保護するBotマネージャー、6)クラウド資産を包括的に保護するCloud Workload Protectionサービスであり、2)と3)がネットワーク関連、残りがセキュリティ関連となる。

同社は2020年3月のディストリビューター契約締結で日本における「Radware」製品の1次代理店となったわけだが、従前そのポジションにあった企業からは円満な形でバトンタッチされたもようであり、順調な顧客巻き取りによって保守契約込みで年間6億円程度の売上を同社が2~3年中に獲得できる蓋然性は高い。実際、2021年3月期における「Radware」関連の受注額は217百万円、保守売上55百万円と順調な滑り出しとなっている。加えて、前代理店ではネットワーク関連の取り扱いが中心であったため、セキュリティ関連において既存プロダクトとの棲み分けが可能である同社においてはクロスセルやアップセルを通じて一回り大きな事業規模への発展が期待される。

セキュリティ部門は減収となったが、2020年3月期に3億円程度の大型受注があったことや2021年3月期に受注した警察庁案件(698百万円)の売上計上を月分割(2020年12月から2025年11月)したことによるところが大きく、期中の受注活動自体は、サイバー攻撃や不正アクセスの増加を受けてネットワークセキュリティ案件やサイバースレットインテリジェンスサービスが堅調に推移している。具体的には、1)産業制御システムのセキュリティ対策が喫緊の課題となるなかで「Nozomi Networks」が国内電力会社4社のほか、複数の国内大手製造業からの受注を獲得するなど市場からの関心が高まっている、2)サイバーテロ等に関する情報を収集分析する「KELA」サイバースレットインテリジェンスサービス及びサプライチェーン/グループ企業のサイバーリスクを可視化する「BitSight」リスクスコアサービスが引き続き堅調、3)標的型サイバー攻撃に備えた案件(ネットワーク不正侵入防御セキュリティ、標的型攻撃対策クラウドサービス、ワンタイムパスワード、ネットワーク脆弱性診断サービス等)が増加している。

モニタリング部門の減収要因は、メーカーの製品サポート終了に伴う保守サービス売上の減少であった。一方、自社製品/サービスであるパケットキャプチャ製品「momentum」の官公庁向け大型受注が売上計上され、ネットワークのパフォーマンスモニタリング製品「SevOne」が国内金融機関向けの追加案件を受注、同社開発の運用監視クラウドサービス「CloudTriage」については既存主要顧客向けの受注活動に注力している。

ソリューションサービス部門については、主力プロダクトの多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」がコロナ禍の影響による訪日外国人旅行客の大幅減少という痛手を被ったものの、在留外国人や、ろう者対応等による需要掘り起こしが奏功し、自治体や金融機関、医療機関による同サービスの導入が加速している。また、通訳サービスで培った経験を翻訳サービスの提供につなげるなどの収益源の多様化や「Zoom」などの遠隔会議サービスと同社が抱える豊富なソリューションとの連携、自社開発のRPAツール「EzAvater」のパッケージ化による需要拡大、5G時代を見据えたDIYサポート(顧客自らがトラブルを解決)である「TechSee」の販売強化、IGLOOOが展開する訪日インバウンドプロモーション事業などが、今後の注目点として列挙できる。

2021年3月期の売上総利益率は41.4%と前期比4.0ポイントの大幅上昇となった。この直接的な要因としては、コロナ禍による経費抑制効果や好採算案件比率の上昇、収益性が高い自社製品・サービスの立ち上がり等があるわけだが、「顧客の付加価値増大につながる機能強化を提案し続ける」という同社の営業戦略がアップセル/クロスセル効果を通じて生産性向上につながっていると考えてよいだろう。

一方、2021年3月期の販管費率は29.9%と前期比0.9ポイント低下している。増収効果やコロナ禍による経費削減効果を映したものであるが、先行投資的な人件費増(同社本体での従業員純増数8名)や自社製品開発費増に加えて、M&A(IGLOOO、クレシード)による経費増を吸収しての動きであり、高く評価できる。結果、2021年3月期の営業利益率は11.5%と売上原価率の改善を主因に前期比5.0ポイントの大幅向上を実現、期中の推移を見ても第1四半期の7.4%から第4四半期には13.8%と尻上がりに良化している。ただ一点、利益率が低いハードウェア販売を伴う同社のビジネスモデルから見て、現時点における同社の営業利益率の実力値は7%程度と考えられ、2ケタ台の営業利益率については、日々の営業活動努力の賜物と評価できる結果であったと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)



《AS》

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