*15:34JST 泉州電業 Research Memo(4):21年10月期は23.2%営業増益へ上方修正
■今後の見通し
1. 2021年10月期の連結業績見通し
泉州電業9824の2021年10月期通期の連結業績は、売上高86,900百万円(前期比17.0%増)、営業利益3,850百万円(同23.2%増)、経常利益4,200百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,900百万円(同23.3%増)と予想されているが、期初予想(売上高821億円、営業利益33億円)から上方修正された。上方修正した主な要因は、銅価格の急上昇(売上増加要因)、堅調な需要(半導体向け等の好調、自動車や工作機械向けの底打ち、3月以降の住宅・建設市場の回復傾向等)、さらに予想以上に好調な子会社群などによる。2021年5月末時点での修正であるため、この予想が達成される可能性は高いだろう。期中の平均銅価格は956千円/トン(前期比40.6%増)を予想している。
設備投資額は1,218百万円、減価償却費は571百万円が見込まれている。主な投資は、名古屋支店物流センター用地取得(1,000百万円)などが計画されている。太洋通信の工場機械設備については、2020年10月期に一部(55百万円)を完了し、残りを2021年10月期に実施する予定となっている。
銅価格は上昇、全商品で増収予想
2. 商品別の売上高見通し(単体ベース)
同社では商品別の売上高(単体ベース)を以下のように予想している。
(1) 機器用・通信用電線
売上高は前期比9.1%増の26,500百万円と予想されている。コロナの影響もあり設備投資需要全般は不透明だが、半導体製造装置関連や中国での自動車関連に動きが出てきていることから、増収を見込んでいる。
(2) 電力用ケーブル
売上高は前期比21.6%増の29,400百万円が予想されている。銅価格の上昇に加え、停滞していたビル建設工事にも動きが出始めていることから、通期では20%超の増収を予想している。
(3) 汎用被覆線
売上高は前期比20.2%増の8,300百万円が見込まれている。電力用ケーブルとほぼ同様で、コロナの影響などで遅れていた住宅向けや中小ビル向けの工事も戻ると予想されることに加え、銅価格の上昇により増収を予想している。
(4) その他電線
銅価格が上昇する見込みであることに加え、主な需要先の中小ケーブルメーカーの動きも復活してくると思われ、売上高は前期比33.9%増の4,000百万円と予想されている。
(5) 非電線
上半期と同様に、加工品及びソーラー関連の需要は引き続き堅調に推移すると予想されることから、売上高は前期比14.9%増の12,800百万円を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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