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日本株

橋本総業HD Research Memo(6):コロナ禍の影響を受けるも増益で着地、新規分野にも積極的に取り組む


*15:26JST 橋本総業HD Research Memo(6):コロナ禍の影響を受けるも増益で着地、新規分野にも積極的に取り組む
■業績動向

1. 2021年3月期の業績動向
橋本総業ホールディングス
7570の2021年3月期の業績は、売上高134,690百万円(前期比2.3%減)、営業利益2,984百万円(同2.3%増)、経常利益3,294百万円(同3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,233百万円(同5.5%増)となった。

国内経済は、コロナ禍の影響により景気は依然として厳しい状況にあるが、建設業界でも全体として前年比マイナスの中で推移すると予想される。具体的には、民間住宅投資は持家・貸家・分譲全てで着工減が予想され、民間非住宅投資についても前年比マイナスでの推移が予想される一方で、公共投資はプラスで推移すると予想される。このような環境のなか、同社は「3つのフル」「みらい活動」「進化活動」に意欲的に取り組んだ。しかしながら、コロナ禍の影響によって、第1四半期を中心にメーカーからの部品・部材の供給が不足するという事態が生じた。また、米国発の木材価格高騰により、住宅の完成遅延や部材・建材の値上がりも続いている。一方で、非接触を背景とした換気や除菌・抗ウイルスへのニーズが強まり、換気扇や空気清浄機、自動水洗といった商材が活況となったほか、感染症対策商品が同社のラインナップに新たに加わった。空調機ニーズが一巡した学校でも、換気扇の設置や水道の自動水洗化、便器の洋式化など新たなニーズが生まれているようだ。

厳しい環境の中で新たなニーズをビジネスチャンスにできたのは、同社が在庫、配送機能、情報力という卸機能を十分に発揮したことによる。供給が細るときに在庫をしっかりと積み、配送を滞らせず、情報を的確にスピード感を持って的確に発信することで、取引先との関係をより緊密に築けた。ところで、新たに進出したタイでは、既に日本人2人、現地スタッフ4人が稼働しており、さっそくサハ東急グループのタウンハウス141世帯を受注した。コロナ禍で一部プロジェクトの見直しは生じているが、うち32世帯にユニットバスやシステムキッチン、家具などを納入が決定、残る92世帯も活動を再開したようで、順調な立ち上がりになったといえよう。

これらの結果、2021年3月期の売上高は厳しい状況でも四半期ごとに改善が進み、下期には増収に転じ、通期では微減収にとどめることができた。また利益面では、感染症対策商品など新商材の効果もあって売上総利益率が横ばいとなり、コロナ禍による交際費などの費用抑制が効いて販管費は実額で減った。これにより、営業利益も四半期ごとに改善が進み、第4四半期には増益に転じ、通期で増益を達成することができた。

セグメント別の業況は以下の通りである。

管材類の売上高は38,201百万円(前期比9.6%減)となった。住宅分野は、コロナ禍の影響により戸建着工件数及びリフォーム需要が減少した。非住宅分野も設備投資抑制の影響や及び東京オリンピック・パラリンピック需要の反動を受け、需要が大幅に減少した。一方で公共投資の増加に伴って水道本管関連が増加した。そのなかで同社は、在庫商材の拡充・拡張に注力するとともにオンラインパートナーシステムを活用し、商品の安定供給に努めた。

衛生陶器・金具類の売上高は40,889百万円(前期比2.3%増)となった。コロナ禍の影響で市場が低迷している状況にあるため、上期は仕入先からの供給が減少し前年同期の実績をやや下回ったが、下期は新商品の発売や取替需要の増加、寒波の影響などもあり需要が回復し、通期では増収となった。そのなかで同社は、強みである在庫・物流機能を活用し商品の供給及び適宜情報発信に努めた。

住宅設備機器類の売上高は23,192百万円(前期比2.5%増)となった。コロナ禍の影響により、ガス給湯器関連は業務用給湯器の需要が減少したが、家庭用給湯器は取替需要が前期並みに推移した。エコキュートは、下期に納期遅延が発生したものの、全体としては好調に推移した。キッチン設備は、ショールームの閉鎖・時間短縮・入場制限などの影響により低迷した。そのなかで同社は、取替需要に対応すべく、家庭用のコンロ、食洗機、衣類乾燥機などの販売に注力した。

空調機器・ポンプの売上高は30,630百万円(前期比2.0%減)となった。空調機器類の需要はコロナ禍の影響により全体として減少したが、住宅用空調機器は高機能型ルームエアコンの需要が増加し、寒冷地域では暖房用としての需要が増加した。業務用空調機器は、工期の遅延や店舗稼働率の低下により大幅に減少したが、換気意識の高まりにより全熱交換機の需要は大幅に増加した。ポンプは需要が減少したが、家庭用ポンプは下期に入って寒冷地の凍結や一部の渇水で伸長した。業務用の比率の高い電材は照明を含めて低迷した。そのなかで同社は、仕入先との連携を強化し、顧客ニーズに合わせた提案に注力した。

2. 事業領域の強化・拡大
コロナ禍でも同社は、引き続き新規分野に積極的に取り組んでいる。営業拠点の新設・強化、物流面や企画提案面での新たな仕組みの構築、タイ現地法人設立、業務提携、組織改編と矢継ぎ早に事業領域の強化・拡大を推進した。より効率的な流通を目指すとともに、海外はもちろん、管材周辺の土木、建材、電材への本格的な事業領域拡大を視野に入れているようだ。

2020年4月には秋田、松山、熊本の3拠点を新設し、2021年6月には川崎への出店を検討している。また、2020年4月に子会社のみらい物流及びみらいエンジニアリングの事業を開始した。これにより、物流やエンジニアリングといった全社的機能を部門横断的に効率的に活用する考えだ。みらい物流では、自社物流に他社物流も加えてメーカー配送代行を担うことにより、積載効率やメーカーの物流効率向上、外部売上の増加が期待できる。みらいエンジニアリングでは、従来から密接な協力関係にある、優れた施工技術力・情報力を有する(株)トキオ・テックのリニューアル部と、ゼネコン・サブコンとの取引のある橋本総業の特需リニューアル部門の本格的な協業を引き出すことで、リニューアルに関するトータルサービスを提供する計画である。

また、2020年9月にはオーテックとの業務提携を決定した。オーテックは管工機材の販売のほか、建物空調における自動制御システムの設計・施工・メンテナンス工事を行っている。両社間で強固な関係を構築することで、全国規模の物流網・配送網を構築するほか、営業協力や業務効率化、生産性向上といった面でのシナジー創出を期待している。2020年10月には、橋本総業関西特需部を大和に統合した。子会社同士の統合だが、大和はサブコン向けに配管資材や配管機材などの販売・施工ノウハウを有し、橋本総業関西特需部は住宅設備機器類の販売に強みを持つため、統合により関西地区での事業展開を強化する狙いである。海外では、2020年7月には、タイにHASHIMOTOSOGYO(THAILAND)を設立した。日本国内で培った仕入・販売・物流などの卸機能を生かし、東南アジアの成長を取り込む方針である。また、タイで住設機器・空調機器の見積請負やユニットバス・システムキッチン・家具などを受注するだけでなく、ベトナムの実習生を日本へ派遣することも検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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