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日本株

ダイナムジャパンHD Research Memo(3):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立し、他社との差別化を実現


*16:43JST ダイナムジャパンHD Research Memo(3):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立し、他社との差別化を実現
■会社概要

2. ダイナムジャパンホールディングスグループの特長と強み
ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の様々な特長・強みのなかで、弊社では1)国内トップの店舗数、2)ローコストオペレーション、3)顧客視点の経営、4)資金調達力の4点に注目している。ポイントはそれぞれの強みが互いにつながっていることだ。すなわち、他社が同社と同じ強さを実現するのは容易ではないということにもつながる。

(1) グループ店舗数は442店舗と国内最大手
同社はグループの店舗数が442店舗(2021年3月末現在)と国内トップを誇る。集計時期のずれによって厳密な比較ではないものの、国内シェアは店舗数ベース、遊技台の設置台数ベースともに、5%程度となっている。業界シェアで1%を超えたのが2003年であり、その後、M&Aも含めた店舗の拡大を進め、業界全体の店舗数が減少するなかでシェアを維持している。

店舗数が多いことは、いわゆる規模の利益(スケールメリット)の獲得につながる。スケールメリットは、店舗の新規出店、改装、遊技機の購入、景品の仕入れ、物流など様々な面に及ぶが、特に重要なのは経費に占める割合が大きい遊技機の購入や運用面での効果だ。店舗数が多いということは、それだけパチンコ・パチスロ機の購入台数も多くなり、遊技機メーカーに対するバイイングパワー(価格交渉力)が強まることになる。また、同社はPB(プライベートブランド)機の開発・導入を進めているが(2021年3月末現在でパチンコ設置台数の12.7%がPB機)、ここでもスケールメリットが生かされている。さらには、全国16ヶ所に各々20~30店舗をカバーする物流センターを設置し、店舗間で機種を融通し合うことで、機械費(遊技機の購入にかかるコスト)の抑制と搬送コストの削減を図っている。また、顧客ニーズに応じて機種のラインナップを変更するなど機動的な店舗運営を行っており、集客増とコスト削減の両立を図ることが可能な体制を構築している。

(2) チェーンストア理論
チェーンストア理論に基づくローコストオペレーションは同社の競争力の源泉であり、成長戦略を含めたすべての施策について実現性・有効性を担保する大きな支えとなっているというのが弊社の理解だ。

パチンコホール事業の2大経費は機械費と人件費であるが、その直接的な費用の削減だけでなく、少ない従業員数でのオペレーションを可能にする店舗設計や店舗運営システム(一例として“各台計数機”)の導入、新規出店の標準化など、様々な面にチェーンストア理論が生かされ、同社グループ全体としてのローコスト化につながっている。

前述のように同社は国内トップの442店舗を展開している。これは積極的な多店舗展開策の結果にほかならないが、それを可能とした原動力もチェーンストア理論だ。そこで店舗数増大⇒スケールメリットによるコスト削減という好循環が生まれて、現状の地位を確立したと弊社では分析している。また、後述する顧客視点に立った経営も、チェーンストア理論があるからこそ実現できていると考えている。

同社がチェーンストア理論を経営に活用するに至った経緯は沿革で述べたとおりだ。同社では志を同じくする同業者と、業界団体「一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会(PCSA)」を2003年に設立し活動を進めることで、同業他社の経営基盤強化にも貢献し、それが2015年11月の夢コーポレーション(株)のグループ化にもつながっている。なおPCSAは2020年10月、「一般社団法人日本遊技産業経営者同友会」と合併し、新たに「一般社団法人MIRAIぱちんこ産業連盟」として、活動をスタートしている。

(3) 顧客視点に立った経営の実践
同社は5つの経営方針の1つに“顧客第一主義”を掲げ、実践している。同様の経営方針を掲げる企業はあっても、それを実践できているところは少ないと思われ、同社の特長の1つと弊社では考えている。

同社の様々な経営施策のなかで“低貸玉営業”と、“射幸性に頼らない営業”の2つを特に弊社では評価している。これらは同社の経営方針や成長戦略を理解する上でのキーワードでもある。

a) 低貸玉営業
貸玉料(パチンコは玉を借りて遊ぶという形態となっており、その料金)を通常の4円より安い、1円もしくは2円に引き下げた営業形態のことを指す。同じ料金でも客はより多くの玉を借りることができ、それだけ長く遊ぶことが可能になる。地域のインフラとして、パチンコを誰もが気軽に楽しめる日常の娯楽にすることを目指す同社にとっては、低貸玉店舗の拡大は理にかなった施策と言えるだろう。2021年3月末時点の低貸玉店舗数は266店舗と全体の60.2%を占めており、設置台数比率で見るとパチンコで71.8%(業界平均42.7%)、パチスロで57.3%(同16.6%)とそれぞれ業界平均を大きく上回っている。

低貸玉店舗は高貸玉店舗に比べて集客力があることは明白にデータに現れている。しかし、この戦略を採用するには相応の企業体力が必要だ。それをカバーする方策が多店舗展開とローコストオペレーションにあり、同社はまさにそれを実践してきた。

b) 射幸性に頼らない営業
文字どおり、射幸性の高い機種を集客の中心的な戦略とはしないということだ。パチンコ機には大当たりの確率が高いものから低いものまで様々な種類がある。確率が低い機種ほど大当たりした場合の出玉数が多く、コアなパチンコファンほど射幸性の高い機種を好む傾向がある。したがって、パチンコホールも高射幸性機種の構成比を高めた店づくりをして集客を行っているところが多い。

しかしながら、ギャンブル依存症等の対策強化のもと、規制当局において射幸性を抑えるための規則改正が段階的に行われており、射幸性を売り物に集客するというパチンコホールの経営スタイルでは成り立たなくなりつつあるのが現状だ。これに対して同社は、高射幸性機種の割合が業界平均に比べて低く、反対に最も射幸性の低い確率1/100タイプの構成比が業界平均よりも20ポイント以上も高い構成となっている。射幸性に対する規制強化の影響は同社も避けられないが、従来から射幸性に頼らない店舗づくりに取り組んできたことから、マイナスの影響は相対的に軽微であると弊社では考えている。

(4) 上場企業の強みを生かした資金調達力
同社は2012年にパチンコホール業界で初めて香港証券取引所に株式を上場した。約2,600社と言われるパチンコホール企業のなかで株式を上場しているのは同社を含めて2021年3月末現在で3社だけだ。今後予想される業界再編において、買い手となれるかどうかの重要な条件の1つが資金調達力であることに議論の余地はない。同社は2015年11月の夢コーポレーションのグループ化で、上場企業としての強みを生かし、全株式を株式交換により取得した。M&Aに限らず店舗投資や新事業展開などによる潜在的な資金需要は旺盛で、上場企業であることのメリットは非常に大きく働くと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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