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新晃工業 Research Memo(6):SIMAを軸に新しい製販体制を構築


*16:06JST 新晃工業 Research Memo(6):SIMAを軸に新しい製販体制を構築
■新晃工業
6458の中期経営計画

3. SIMAプロジェクト
「move.2025」のなかで最も重要な取り組みがSIMAプロジェクトである。SIMAプロジェクトは、2019年にスタートした、個別受注生産方式を次世代化して原価低減につなげるというプロジェクトで、2023年には効果の発現が期待されている。同社はこれまで、強みともいえる労働集約的なビジネスによって、オーダーメイドの製品を製造し手厚いサービスを提供してきた。これは同社が評価されるポイントにはなってきたが、中長期的課題のなか、効率が低下する可能性がある。このため、営業・設計・積算・製造を1から再定義することで、製品やサービスなどの評価要素を損なわずに事業基盤を強化、将来も高い生産性と成長性の確保を目指す、というのがSIMAプロジェクトの狙いである。

具体的には、製造面では、BOMや3D-CADなどを導入し、空調機の設計から積算、製造をデジタル化・自動化し、全体を一気通貫で連携する基盤を構築する。さらにデジタル設計・生産体制を有する新たなデジタル工場の実現につなげ、一層の生産能力の増強と効率化を図る。営業面では、製造面のバージョンアップを背景に高精度の需要予測に基づく受注計画を策定し、体系化された営業手法・プロセスを通じて、図面・見積・納期に関する顧客の疑問に携帯端末を使ってその場でリアルタイムに回答するなど、新たな営業スタイルを確立する計画である。これにより経営スタンスを維持するとともに、営業・設計・積算・製造の各段階において、時間のかかる業務や人材育成を効率化する方針である。

ちなみにSIMAプロジェクトの製造面における詳細だが、設計では、例えば2次元図面から3次元をイメージする「バラ図」を作成しているが、非常に難易度が高く、5年~10年のキャリアが必要となる。これを、製品モジュール化や3D-CADによって工数を削減する。積算では、過去約3万台の製品仕様情報と工数を自動学習したAIが、ほぼ全製品にわたってベテラン並みの精度で瞬時に製造コストを予測できるようにする。これにより予測までの時間を短縮するが、将来的には、顧客の要望や仕様を入力するだけで納期確認や設計・製造、カスタマイズに必要な手配まで行えるようにする。製造では、同社はセル生産方式をベースにしているが、SIMAプロジェクトで簡素化された作業に関しては、ライン生産方式も導入してコストダウンを図る。また、無人搬送車なども積極的に導入する考えだ。こうした同社の業務を、新しい時代の最適な仕組みとして仕上げるため、AI技術者を自社で育成しAIシステムも自社で開発する。中長期的にベテランの退社や人手不足が急速に進行すると見られることから、SIMAプロジェクトは社運を賭けたプロジェクトとなっている。


重点取組は基盤事業と成長分野にフォーカス
4. 重点取組項目
SIMAプロジェクトをベースにした中期経営計画「move.2025」における重点取組項目は、基盤事業のAHU、拡張領域としてのヒートポンプ空調機、更新需要を狙った工事事業、発展する中国事業の強化に加え、技術深耕・品質向上となる。AHUの強化では、SIMAプロジェクトをフル活用して圧倒的な競争優位を築き、データセンターなど成長分野を深耕する。需要拡大が見込まれるヒートポンプ空調機では、製造ラインを拡充するとともに「オクージオ」ブランドを訴求、シェアNo.1の奪取を狙う。工事事業では、冷媒メンテナンス体制を構築し、今後拡大が見込まれる更新・メンテナンス需要を積極的に取り込む。汎用品中心から高品質・高技術が求められるようになってきた成長市場の中国においては、合弁先企業を通じてAHUの特徴を訴求、価格競争を回避しながら利益を確保していく。併せて、受注採算重視への意識改革や生産性向上による原価低減など進める方針である。それらを支える省力化やAIの実用化など技術深耕、クレームゼロに向けた品質向上に注力し、そのうえで「SINKO WAY」の社会への浸透、「エアスタ※」を活用したブランディング、期待人財創出プロジェクトによる人材の底上げ、M&Aによるグループ強化も推進していく考えである。

※エアスタ(SINKO AIR DESIGN STUDIO):同社が開設した空調機器のショールーム。建物全体が体験型ショールームとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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