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日本株

ムサシ Research Memo(3):メーカー事業と商社事業による多様な収益基盤を持つ(2)


*15:23JST ムサシ Research Memo(3):メーカー事業と商社事業による多様な収益基盤を持つ(2)
■ムサシ
7521の会社概要

(3) 注力事業の概要と特色
様々な商品を取り扱うなか、特に以下のような製品やサービスに注力している(いずれも情報システム機材分野に属する)。

a) メディアコンバート事業
様々な紙媒体(文書、書籍、伝票、図面)などを電子データ化またはマイクロフィルム化することに加え、各種のマイクロフィルム(フィッシュフィルム、アパーチュアカード、ロールフィルム、COMフィルム等)を電子化あるいは紙媒体化(印刷)する。さらに、過去に電子化された各種データ(TIFF、JPEG、BMP、PDF、JPEG2000など)を様々な記録媒体(DVD、BD、HDD、LTO等)に記録するだけでなく、マイクロフィルム化及び紙媒体化(印刷)することも行う。このように、顧客の要望に応じて様々なメディアに変換(コンバート)するのが同事業の特徴だ。今後も、以下の3つの流れで需要増が期待できる。

〇  コロナ禍でテレワークへの移行が進む→文書や資料の電子化需要が拡大。
(アフターコロナでもこの流れは継続)
〇 官公庁・自治体:行政のデジタル化推進→文書・図面・資料等の電子化需要が拡大。
〇 官公庁・自治体、大手企業:働き方改革や「DX化」により保管文書の電子化需要が拡大。

同社のメディアコンバート事業の特色(強み)は、1)高品質の加工処理、2)元資料に対する万全なセキュリティ、3)高い生産性(国内最大級のドキュメントイメージングセンターを有する)などである。さらに、デジタルデータ作成、データ検査、検索情報の入力などの工程を一貫して管理することが可能で、この結果、より正確で効率的なデータベース作りを行うことができる。これは、長年のマイクロフィルムサービスのノウハウの蓄積によるもので、同業他社が簡単には追い付けない部分でもある。

b) 業務用ろ過フィルター事業
「ミクロフィルター」という富士フイルム(株)が開発・製造する業務用ろ過フィルターの販売代理店事業だ。同社は国内市場の総販売代理店の地位にある。ろ過フィルターはマイクロメートル(μm)単位の微粒子・微生物を「ろ過」によって分離・除去するものだが、食品・飲料、エレクトロニクス(半導体、電子部品等)、医療などの各分野で幅広く利用されている。

富士フイルムのミクロフィルターは市場では後発組であるが、以下のような特色を有しており、同社でも今後は積極的な拡販を図る計画だ。

1) 非対称膜構造:一次側から二次側へ徐々に孔径が緻密化する独自構造
2) ロングライフ:粗から密へ、膜全体を有効に使った段階的ろ過で長寿命を実現
3) 低初期圧損:大きな開孔率、空隙率が低圧損を実現
4) 確実な捕捉:シャープな孔径分布による内部緻密層が確実な捕捉を実現
5) 豊富なラインアップ:0.03μmから1.2μmの豊富なラインアップ

c) 社会インフラ画像診断サービス『ひびみっけ』事業
富士フイルムが持つ医療用画像診断システムの「画像解析技術」を活用して開発されたもので、橋梁やトンネルなどのコンクリート構造物の「ひび割れ」を撮影した画像から検出するものだ。各構造物の写真を撮り、それをクラウドにアップ、これらの画像を自動合成することで「ひび割れを自動検出」する。この製品を使うことで、橋梁・トンネルの点検業務は大幅に効率化される。これらのインフラ点検業務の発注者はほとんどが全国の自治体であり、同社はこれらの自治体とは「選挙システム機材」で密接な関係にあることから、今後はこのルートを生かすことで事業の拡大を目指す。

3. 特色と強み
(1) 多様な収益基盤
同社は主に6つの分野で事業展開を行っており、業界や顧客企業が分散されている。このため、特定の業界や企業の影響を大きく受けることは少ない。また、それぞれの事業が独立していることから、1つの事業が伸び悩んだとしても、他の事業が補完することが可能で、これにより安定した収益を保つことができる。

(2) 商社機能とメーカー機能を併せ持つ
同社は柔軟な対応力と強い営業力を持つ商社である一方で、選挙関連機器や金融関連機器の設計・製造を行うメーカーでもある。これにより、商品やシステムの企画・開発から設計・製造、販売、ソフトウェアや機器のメンテナンスサポートまで一貫したサービスを提供することができる。商社としての「強い営業力」とメーカーとしての「商品開発力」を併せ持っていることは同社の特色であり強みである。

(3) 安定した財務基盤
同社の財務基盤(貸借対照表)は堅固で安定している。直近の2022年3月期の貸借対照表を要約すると、総資産43,481百万円、純資産27,024百万円(自己資本比率62.2%)、現金及び預金19,485百万円、たな卸資産2,889百万円、借入金3,516百万円(短期のみ)となっており、商社としては在庫と借入金が少なく、メーカーとしては有形固定資産が比較的少ない。言い換えれば、財務的には商社とメーカーの良い面を併せ持ったコンパクトかつ堅固なバランスシートと言える。これにより、新たな事業展開も、財務面からの制約を受けることなく容易に行うことが可能となっている。これは同社の強みの1つだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)





《SI》

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