*15:18JST 霞ヶ関キャピタル Research Memo(8):物流施設開発事業を軸に、引き続き2ケタ増収増益を見込む
■今後の見通し
● 2023年8月期の業績見通し
今後の経済見通しについて霞ヶ関キャピタル3498は、コロナ禍の収束には未だ不透明感があるものの、国内外のワクチン接種の普及拡大とともに経済活動は徐々に回復していくことを基本シナリオとしている。一方でウクライナ・ロシア情勢の緊迫化などの地政学的な問題や原材料価格の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが集積しており、工期やコストに関しては下振れリスクを加味した保守的なスタンスで見通しを策定している。
物流関連市場においては、EC市場の拡大や冷凍冷蔵倉庫に対する高い需要に支えられ、物流施設開発は継続して活況を呈しており、中期的にもこのトレンドは継続すると見込んでいるが、供給過多の状況になりつつあるエリアもあり、築年数や設備内容など差別化が求められる競争環境になりつつあると見ている。また、ホテル関連市場においては、足元では全国旅行支援などの景気刺激策や外国人観光客の受け入れ再開の動きが見られるなど、景気回復に向けた期待が高まりつつあり、国内旅行需要については堅実に回復する見通しであるが、インバウンド需要の本格的な回復には引き続き時間を要することを前提としている。
以上から、2023年8月期の連結業績予想については期初予想を据え置き、売上高26,500百万円(前期比27.5%増)、営業利益3,200百万円(同49.4%増)、経常利益2,700百万円(同55.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円(同81.7%増)としている。大幅な増収増益となり、利益率も改善する見通しだ。また、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が高いが、前期の特別損失(245百万円)がなくなることに伴う反動である。過去最高の売上高及び利益を目指す意欲的な予想であるが、同社は例年期初には保守的な業績予想を発表していることから、予想を達成する可能性は高いと弊社では見ている。
事業別に見ると、主力の物流施設開発事業においては、物流施設開発の活況が継続する見通しであること加えて、パートナー企業との合弁会社設立などの協業施策等の戦略を活用することで、今後も物流関連市場での活動に注力する方針だ。ただ、ホテル開発事業においては、短期的にはコロナ禍の影響からの急激な回復は難しいと見られる。また、新たに立ち上げたヘルスケア関連施設開発事業やファンド事業は順調に拡大しており、2023年8月期からの収益貢献を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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