*13:09JST ココナラ Research Memo(9):2024年8月期第4四半期にNon-GAPP営業利益の黒字化を目指す
■今後の見通し
2. 今後の成長戦略
国内における個人・中小企業間サービスの潜在市場規模は年間約18兆円となり、このうちオンライン完結型のサービスEC市場は2020年時点の約1,000億円(EC化率0.6%)から、2030年頃にはEC化率の上昇や法人利用の拡大によって約1.8兆円(EC化率10%)に拡大する可能性があるとココナラ4176は推計している。こうした成長市場のなかで、「ココナラ」をあらゆるサービス(スキル)が購入できる総合型サービスECプラットフォームとして育成し、流通高で1,000億円から数千億円規模の経済圏に育成することを目指している。
サービスのEC化については、出品者(サービス提供者)側の品質レベルが不明なため、購入リスクがあり普及率が今まで低い要因にもなっていた。これに対して、「ココナラ」では40万人の出品者のデータベースを保有し、希望するサービスを提供する出品者に簡単にリーチできることや、オンラインコミュニケーション機能の充実により、時間・場所に関係なくスピーディな交渉が可能なことや、複数の出品者のスキルを可視化したレビューを比較参照することで、最適な出品者を安心して選択できることが強みとなっている。また、対面取引と同じ品質のサービスを低コストで購入できるコストメリットも認知されるようになってきたことで、2020年以降は制作・ビジネス系を中心に高成長が続いている。2021年秋以降はリオープニングの影響でそれまでの特需的な伸びが落ち着いたことで、成長率がやや鈍化しているが、「ココナラエージェント」をはじめとしたビジネス利用拡大に向けた各種施策の効果が顕在化すれば、2024年8月期以降に成長が再加速する可能性は十分にあると弊社では見ている。
同社の業績はこれまで「ココナラ」経済圏を一定規模以上に拡大するための先行投資を実施してきたため、期間損益で損失を計上することも多かったが、2024年8月期第4四半期以降はNon-GAAP営業利益が黒字となる範囲内での投資を行い、2025年8月期以降は通期での黒字化を目指す方針を明らかにしている。また、中長期的には営業収益の成長とともに厳格な費用コントロールを行うことで、営業利益率30%の水準をターゲットに高収益体質を目指す考えだ。流通高と営業利益率の達成時期については必ずしも一致しないが、流通高で年率25%の成長が続いたとすると2031年8月期に1,000億円を達成することになる。テイクレート27%を前提とすれば営業収益は270億円となり、その段階では営業利益率も2ケタ台の水準になっているものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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