July 23, 2009 / 6:29 AM / 10 years ago

政治主導の予算編成でムダ削減=民主党政策集

 [東京 23日 ロイター] 民主党はこのほど、現在策定中の総選挙に向けたマニフェスト(政権公約)の土台となる「民主党政策集」をまとめた。予算決定について「政治家が自ら編成する」とし、政治主導の予算編成によって「ムダな公共事業の削減や縦割り行政の弊害をなくす」ことを実現する。

 7月23日、民主党はこのほど現在策定中の総選挙に向けたマニフェストの土台となる「民主党政策集」をまとめた。7日撮影(2009年 ロイター)

 税制に関しては、現在の与党税調を廃止し、新たに政治家をメンバーとする政府税制調査会を設置、専門家で構成する専門委員会も新設して税制のあり方について助言を求める。

 具体的な税制については、給付付き税額控除制度の導入のほか、証券税制の軽減税率の維持、企業の国際競争力向上を勘案した法人税率の見直し、「国際連帯税」の検討などをあげている。酒税はアルコール度数に比例した税制を検討し、たばこ税は喫煙率を下げるための価格政策の一環と位置づける方針。自動車取得税は廃止する。

 消費税については、現行の税率5%を維持し、社会保障目的税化や基礎的社会保障制度の抜本的な改革が進展した上で「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受けて具体化する」としている。

 民主党は、近く子ども手当や高速道路料金の無料化、暫定税率の廃止など主要政策の工程表とともに正式なマニフェストを公表する。政策集の主な内容は以下の通り。

 ●子ども・男女共同参画

 ・所得税の扶養控除や配偶者控除を見直し、子ども手当を創設。中学校卒業までの子ども1人あたり、月額2万6000円(年額31万2000円)を支給。

 ●行政改革

 ・与党議員が100人以上、大臣・副大臣・政務官などとして政府の中に入り、中央省庁の政策立案・決定を実質的に担う。

 ・各省庁に対して情報提供を求めることができる協力な権限を持った「行政刷新会議(仮称)」を設置し、集中的に国の事業を見直す。

 ●分権改革

 ・基礎的自治体(現在の市町村)を重視した分権改革を推進し、中央集権制度を抜本的にあらため、地域主権国家を樹立。 ・地方向けの補助金などを廃止し、地方が自由に使える一括交付金にあらためる。

 ・自治体間の財政格差の拡大、地方の財源不足に対応するため、新たな財政調整・財源保障制度を創設。国直轄事業に対する地方負担金制度を廃止し、地方の負担をなくす。

 ●政治改革

 ・政治資金規制法を改正し、その3年後に企業・団体の献金およびパーティー券購入をすべて禁止。あわせて個人献金を普及促進させる。

 ・政治家の世襲を制限。

 ・衆議院の比例議席180のうち、80議席を削減。

 ●郵政事業・情報通信・放送

 ・郵政事業について、国営・公社に戻すことなく、抜本的見直しに取り組む。

 ・「日本郵政」「ゆうちょ銀」「かんぽ生命」の株式売却を凍結するための法律(郵政株式売却凍結法案)を可及的速やかに成立させる。

 ●外務・防衛

 ・新時代の日米同盟を確立。主体的な外交戦略を構築し、対等なパートナーシップを築く。

 ・東アジア共同体の構築をめざし、通商、金融、エネルギー、環境、災害救援、感染症対策などの分野において、アジア・太平洋地域の域内協力体制を確立する。

 ・北朝鮮の核実験とミサイル発射は、日本および国際の平和と安定に対する明白な脅威であり、断じて容認できない。国の責任において拉致問題の解決に全力を尽くす。

 ●財務・金融

 ・財政健全化のために、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を図り、債務残高GDP(国内総生産)比を着実に引き下げる。

 ・国民を代表する政治家が自ら予算を編成する。官邸に各省の大臣などを集め、予算編成の基本方針を決定し、省庁ごとに政治家が予算を編成。

 ・特別会計をゼロベースで見直し、最終的に「財政再建特別会計」「交付税特別会計」などに簡素化。

 ・金融危機の日本への影響を踏まえ、信用保証の対象業種の拡充、中小企業向け検査マニュアルの弾力化、住宅ローンなどの返済条件緩和の支援などの対策を迅速に講じる。

 ・証券取引等監視委員会を改編し、独立性が高く、強力な権限を有し、幅広い金融商品取引を監視する「金融商品取引監視委員会」(日本版FSA)を創設する。

 ・公開会社に適用される特別法として、情報開示や会計監査などを強化し、健全なガバナンス(企業統治)を担保する公開会社法の制定を検討。

 ・銀行・証券・保険・商品(現物・先物)会社などによって販売されるすべての金融商品に対する包括的・横断的な投資家保護法制の整備を図る。

 ・地域への貢献度や中小企業に対する融資条件などの情報公開を通じて、金融機関同士の健全な競争と経営を促すため、「地域金融円滑化法」を制定する。

 ●税制

 ・与党内の税制調査会を廃止し、財務相の下に政治家をメンバーとする新たな政府税制調査会を設置。従来の政府税制調査会は廃止し、代わりに税制の専門家として中長期的視点から税制のあり方に関して助言を行う専門委員会を新しい政府税制調査会の下に置く。

 ・相対的に高所得者に有利な所得控除を整理し、必要な人に確実に支援ができる給付付き税額控除制度を導入する。

 ・金融所得については当分の間、分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大する。証券税制の軽減税率については、経済金融情勢などにかんがみ当面維持。

 ・消費税は、現行の税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当。税率については、社会保障目的税化やその使途である基礎的社会保障制度の抜本的な改革が検討の前提。その上で、引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化する。

 ・租税特別措置の抜本的な見直しを進めて課税ベースが拡大した際には、企業の国際的な競争力の維持・向上などを勘案しつつ、法人税率を見直す。

 ・国境を越える特定の経済活動に課税し、集まった収入を貧困撲滅・途上国支援などを行う国際機関の財源とする「国際連帯税」について検討を進める。

 ・酒税はアルコール度数に比例した税制とすることを検討。

 ・たばこ税は、現行の「たばこ事業法」を廃止し、健康増進目的の法律を新たに創設。喫煙率を下げるための価格政策の一環として税を位置づける。

 ・自動車取得税は二重課税回避の観点から廃止。自動車重量税および自動車税は、保有税(地方税)に一本化し、地方の一般財源とする。ガソリンなどの燃料課税は、一般財源の「地球温暖化対策税(仮称)」に一本化。暫定税率は地方分を含めてすべて廃止。

 ●文部科学

 ・高等学校は希望者全員とし、公立高校の授業料は無料化、私立高校などの通学者にも授業料を補助(年12─24万円程度)。

 ●厚生

 ・自公政権が「骨太の方針2006」で打ち出した社会保障削減方針(年2200億円、5年間で1兆1000億円)は撤廃。

 ・後期高齢者医療制度は廃止し、廃止に伴う国民健康保険の財政負担は国が支援。

 ●農林水産

 ・米、麦、大豆など販売価格が生産費を下回る農産物を対象に農業者戸別所得補償制度を導入。

 ●国土交通

 ・高速道路は原則として無料とする。

 ●環境

 ・地球温暖化対策基本法を制定し、2020年までに1990年比25%、長期的には2050年までのできるだけ早い時期に60%超の温室効果ガス排出量削減を実現する。

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