August 6, 2009 / 7:29 AM / 11 years ago

天候不順で米穀関連株が浮上、コメ優待制度に注目も

 水野 文也記者

 8月6日、天候不順で米穀関連株がテーマとして浮上している。写真は刈り取られた稲穂。新潟県南魚沼市で2007年10月撮影(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 [東京 6日 ロイター] 天候不順で米穀関連株がテーマとして浮上している。コメの予想作況指数が「やや不良」となり、今後の天候次第では「平成の米騒動」と言われた1993年の悪夢が再来、コメに関するビジネスが広がると思惑が生じたためだ。昨年が豊作だったことから供給不足に陥らないとの見方があるほか、不作が必ずしも収益環境の好転に結びつくとは限らないものの、関連銘柄は不作のたびに人気化した経緯があり、個人投資家を中心に足早な資金を誘い込んでいる。状況が深刻化した場合、株式市場ではコメの贈呈を優待制度にしている銘柄が注目されるとの指摘もあった。

 <冷夏深刻なら消費を5000億円押し下げの試算も>

 天候不順は、株式市場にも徐々に影響を与え始めている。これまで勝ち組とみられていたファーストリテイリング(9983.T)が、冷夏の影響で7月の国内ユニクロ事業の既存店売上高が前年比4.2%減となったことを受けて売られたのがその一例。冷夏による消費の落ち込みを警戒する市場関係者が少なくない。

 今年の夏はエルニーニョ現象の影響によって、これまで日照不足に見舞われていた。気象庁が公表した8月の予報によると、北日本から西日本にかけて平年にかけて晴れの日が少ないという。同庁では特に注意を要することとして日照時間の少なさを挙げており、季節性の高い商品の売行き不振や、農作物の不作など経済への悪影響が心配されている。

 第一生命経済研究所・主席エコノミストの永濱利廣氏は「7─9月の日照時間が梅雨明けの遅れた03年並みなら家計消費を1736億円、梅雨明けが特定されなかった93年並みなら5015億円押し下げる」と分析。

 その上で「93年夏に円高と冷夏の影響で政府がいったん発表した景気底入れ宣言を取り下げたことがあったことからすれば、今年の夏の日照不足が病み上がりの日本経済に思わぬダメージを与える可能性も否定できない」と指摘していた。

 <総選挙関連とも重なる農業関連株>

 そうした中、株式市場で注目されているが米穀関連株だ。過去に作況が不良となった際に人気化したことがある連想から、今回も投資家の関心を集めている。6日の市場では一服したものの、調査会社の米穀データバンクが2009年産米の予想作況指数(7月31日現在)を全国平均で96(平年を100)の「やや不良」と発表した5日には、木徳神糧2700.Q、日本マタイ8042.T、ヤマタネ(9305.T)などがにぎわった。これらは総選挙を前に農業政策の期待から農業関連として注目されていたが、新たな切り口が加わる形となっている。

 米穀データバンクによると、96という数字は8月の気温が平年並みとなることが前提で「8月の天候次第で上振れも下振れもありうる。公表したデータが現状の作柄を意味するものではないため、気象庁の予報では8月の気温が低いとのことなので、現段階では下方修正が考えられそうだ」(同社速報部)という。

 過去のデータ推移をみると、農水省が最終的に作柄概況を90と発表した03年の同社7月末予測は94、農水省の最終作況が74と記録的な低水準となった93年の同社予測は93だった。この点から米穀データバンクの速報部では「今年の作況が93年並みの水準まで落ちる可能性はゼロとは言い切れない」としている。

 その93年の相場では、米穀関連銘柄だけではなく、コメの代替品としてパンやめん類の需要が喚起されるとの見方から、山崎製パン(2212.T)、日清食品ホールディングス(2897.T)なども相場になったほか、野菜関連や農薬関連なども物色され。さらに、コメ不足から優待制度でコメを贈呈する企業が注目された。

 <コメ贈呈は80社前後>

 市場関係者の試算によると、現物支給以外にも、お米券や選択してコメの配布が選べる企業まで含めると、コメの贈呈を優待制度として実施している企業は80社前後に達するという。表にはブランド米として人気が高い「魚沼産コシヒカリ」を贈呈している企業を取り上げたが、その中の1社である積水ハウス(1928.T)の広報担当者は「以前は複数あるギフトの1つだったのをコメが最も人気が高かったため、昨年から切り替えた経緯がある。住宅のトップメーカーであるため、優待品もトップブランドの魚沼産にした」としている。

 ある準大手証券の情報担当者は「コメは余剰感があるとのことなので、現時点では93年のような状況になる可能性は低いとみられるものの、さらに状況が悪化した場合、見直される可能性はある。米価が急騰すれば。コメの優待はおとく感が増す。93年当時の相場も、そのような見方から注目された銘柄もあった」と話す。

 魚沼産コシヒカリを優待制度にしている丸三証券・専務の水野善四郎氏は「無配の時期でもコメだけは株主に送っていた。93年当時を振り返ると、価格が高騰しながらも止めなかったため、相当なコスト負担になったと記憶する。逆に言えば、その分、株主は満足感があったと思う」とコメントしていた。

(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

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