August 17, 2009 / 3:44 AM / 10 years ago

GDP後は材料出尽くしで株安/債券高、リスク回避の円買いも

 [東京 17日 ロイター] 17日の東京市場では、予想を若干下回る4―6月期の実質国内総生産(GDP)の発表を受け、株安/債券高の流れが鮮明になった。ただ、世界的な過剰流動性相場の継続も意識されているため、中長期的には株の強気シナリオも健在だ。

 8月17日、東京市場では予想を若干下回る4―6月期の実質国内総生産(GDP)の発表を受け、株安/債券高の流れが鮮明に。写真は昨年11月、東京証券取引所前で(2009年 ロイター)

 一方為替市場では、米株安や原油相場の急落を背景にリスク回避志向が強まる中で円高が進んだ。

 <4─6月GDP発表で材料出尽くし感>

 株式市場では日経平均が反落、下げ幅は200円を超えている。前週末の米株安と足元の円高基調を受けて売りが先行した。寄り前に発表された4─6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比プラス0.9%、年率換算プラス3.7%となり、5四半期ぶりのプラス成長となったが、市場は織り込み済みで材料出尽しとなった。

 「先物主導で一本調子で下げている。前週までは下げると買い戻す場面がみられたが、きょうは押し目買いも少ない」(インベストラスト代表の福永博之氏)という。

 大和証券投資情報部長の多田羅信氏は「前週に期待感やショートカバーで上昇した部分がはがれた格好だ。騰落レシオなど短期テクニカル指標が過熱感を示していたこともあり、利益確定売りが出やすい状態でもあった」とみている。

 ただ、これまで株価をけん引してきた景気回復期待や低金利を背景とする流動性の環境には変化はなく、長期的に強気の見方は健在だ。

 「今週発表される米国の住宅関連指標などに改善のシグナルが出れば、押し目買いが入りやすい。日経平均がここで頭打ちとは考えていない」と多田氏は言う。

 また、国内アセットマネジメントのポートフォリオ・マネージャーは、これまでの買い主体は外国人投資家で、国内機関投資家は様子見を続けており、一部は売りに回っていたとしたうえで、「マクロ指標や企業業績は今後も回復傾向を示す可能性が大きく、国内機関投資家の考えも徐々に変わっていくだろう。信用リスクなどはリーマン・ショック前の水準に戻っており株価も1万2000円程度までは回復しておかしくない」と話す。  

 <円債は景気回復に慎重な見方>

 円債市場は先物主導で買い上げられ、中心限月9月限が一時前週末終値より44銭高い138円42銭まで上昇。この影響で、日本国債のイールドカーブが押し下げられ、長期金利の指標となる10年最長期国債利回りは前週末比2.5ベーシスポイント低い1.350%に低下する場面があった。

 内閣府が発表したGDPは思ったほど改善せず、「マクロ系ファンドからとみられる株売り/債券買いのオペレーションが持ち込まれた」(外資系金融機関のファンドマネジャー)ことが背景にある。

 2009年4―6月期国民所得統計1次速報では、実質GDPはプラスに転じたが、名目成長率は前期比マイナス0.2%となり、前期(マイナス2.6%)よりもマイナス幅は縮小したものの、5四半期連続のマイナスとなった。

 みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「今回の実質プラス成長への転換に高揚感めいたものを一切感じない。名目マイナス成長は継続した。景気刺激策の効果は先行きの息切れが必至。国内需要『地盤沈下』継続とやむを得ざる輸出依存という、日本経済のベースライン部分の構造は、実に重苦しい」と指摘した。

 <為替は米指標弱含みで「リスクオフ」取引>

 為替市場では、予想を下回る米指標で米株が下落したことが手掛かりとなって、円とドルが上昇。海外市場では、米原油先物が2週間ぶりの安値となる67ドル前半まで大幅な下げとなり、豪ドルが急落したことがドルと円の上昇を支えた。

 きょう午前にかけての市場の値動きは、株安で投資家のリスク回避が強まって低金利のドルと円が上昇する一方、高金利通貨が売られる「リスクオフ」の形が鮮明となった。ただ「米指標で内需や消費の弱さが目立ったことがきっかけだが、米連邦準備理事会(FRB)も消費の弱さには言及しており、最近の株高はそれも織り込んだ回復シナリオ。調整ムードではあるものの、ここで大きく弱気に転じる必要もない」(外銀)とする声も上がっている。

 豪ドルは14日海外の取引で、貿易取引の多いNZドルに対してで最近の取引レンジ下限を下抜けた。一段の豪ドル売りを誘発するストップロスを相次ぎ巻き込み、豪ドルの下げが加速した。シティバンクが豪ドル買い/NZドル売りポジションの手じまいを推奨したことが一因とする声もあった。

 (ロイター日本語ニュース 金融マーケットチーム)

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