August 21, 2009 / 6:19 AM / 10 years ago

民主党の衆院選圧勝予測、政策実行面を測りかねるマーケット

 [東京 21日 ロイター] 週末21日の東京市場では、米当局による自動車買い替え支援策が24日で終了すると発表されたことを材料に自動車株が売られ、株化全体を押し下げる方向に働いた。複数の全国紙が総選挙での民主党圧勝予測を伝えたが、市場ではその影響がどのように政策として出てくるのか測りかねているとの声が多く、大きく相場を動かす要素にはなっていない。

 8月21日、民主党の衆院選圧勝予測にマーケットは政策実行面を測りかねている。写真は街頭演説を聞く有権者。大阪で18日撮影(2009年 ロイター/Issei Kato)

 <株安/債券高>

 株式市場では日経平均が反落。ドル/円が93円台の円高に進んだことや、米運輸省が自動車買い替え支援策を今月24日で終了すると発表したことで自動車株が売られ、指数を押し下げた。「裾野が広い産業だけに市場への影響は無視できない。外資系証券による先物売りも目立っている」(大手証券)という。

 午後の取引では、93円半ば付近まで円高が進んだことを嫌気し、日経平均の下げ幅が前日比200円を超えた。

 一方、円債市場では国債先物が3月25日以来5カ月ぶりに139円台で取引された。長期金利の指標となる10年最長期国債利回りは節目の1.3%に迫った。マクロ系ファンドからとみられる先物ショートポジションの解消や、節目を抜けたことによる商品投資顧問業者(CTA)の先物買いが相場上昇の主因とみられる。

 大和証券SMBC・チーフストラテジストの末澤豪謙氏は「きのう段階では、現物債にやや戻り売りが出たほか、国債先物にもシステム的にロングポジションの解消が進んだ。きょうは株安と海外金利の低下を受け、海外ファンドとみられるシステム的な買いが再度入ってきたもようだ」と話した。 

 外為市場では、不安定な上下変動を繰り返す上海株や100円を超えて下げ幅を拡大する日経平均がリスク回避の円買いを誘い、ドル/円でもクロス円でも円高が進んだ。

 ドルは朝方94.30円の高値を付けたものの、輸出企業のドル売りやチャートに基づく短期筋のドル売り/円買いで94円付近まで弱含んだ。

さらに午後の取引では、日米株価の下げを受けてクロス円での売りが強まり、つれてドル/円も93.47円まで下げた。「ドルは20日から一目均衡表の雲の下限に沿って弱含んでいる、すでに目先の抵抗線は下抜けしたので、次の下値のメドは7月の安値93.10円付近となる」(証券会社)という。

 <民主党勝利なら、海外勢好感/国内勢嫌気の声も>

 前日や21日に複数の全国紙が、30日投開票の衆院選の予測調査を相次いで発表した。民主党が300議席に迫るか、それを上回る圧勝になるとの予測結果で、実に解散時の3倍近くの当選者に膨れ上がるとの内容だった。 

 みずほ証券・エクイティ調査部シニアエコノミストの飯塚尚己氏は「民主党圧勝となれば、衆参のねじれが解消し、安定的な政権の誕生として、海外勢にはポジティブに受け止められるだろう。日本株買いが増加する可能性がある。一方、国内投資家は民主党圧勝を嫌気するかもしれない。民主党には、大企業よりも労働者側の政党というイメージがある。日本の投資家には自民党の信奉者も多く、未知なる政権への不安や不信感も強い」と予測。

 大和住銀投信投資顧問・上席参事の小川耕一氏は「民主党の単独与党となれば、たとえば社民党との連立与党となった場合と比べ、特に外交面などで政策がやりやすくなるなど、安定政権となることは悪い材料ではない」と述べている。

 ただ、株式市場の反応は限定的と小川氏はみている。「市場は民主党への政権交代をかなり織り込んでいる。子供手当などは方向性としては正しいが、雇用・所得減を背景とした日本の最大の問題であるデフレスパイラルを、財源も含めてどのようにして是正していくのか、政策遂行を見極めたいというスタンスが大勢だろう」と語った。

 <外為・金利市場では見方交錯>

 円債市場では「民主党の公約16.8兆円実行の財源問題について不透明感が払しょくされないだけに、財政リスク・プレミアムへの思惑から、イールド・カーブはスティープ化しやすい面もありそう」(三菱UFJ証券・シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏)との声がある。

 一方で、市場には「民主党の岡田克也幹事長は20日、藤井裕久最高顧問の処遇について、鳩山政権で中心的な役割を果たしてもらわなければならない人だと述べた。民主党が政権を取った場合、財務相か新設する国家戦略局長への就任が予想され、その場合はバラマキ財政への懸念が弱まり、国債市場には好材料」(UBS証券・チーフストラテジストの道家映二氏)との見方もある。 

 為替市場の関心は「新政権の政策が、海外市場参加者やグローバルな投資家にとって、日本での新たな投資や収益機会につながるかという点に集約される」と東京都民銀行・外為業務部のシニア為替アドバイザー角田秀三氏は言う。

 仮に民主党が圧勝したとしても、まず構造改革や規制緩和を含めて政策内容を吟味する必要がある。民主党がマニフェストに掲げる子供手当や高校教育の無償化といった家計支援は、海外からみて大きなビジネスチャンスにはつながりにくいとの見方がある。

 さらに「民主党の政策遂行能力を見極めることも極めて重要だ。官僚機構に民間人を登用してどれほど効率が上がるのかという観点もあるだろう」と角田氏は語り、「これらの一連のプロセスには時間を要するため、民主党が圧勝する見通しが高まり、また実際の結果がそうなったとしても、為替市場の短期的な反応は限定的なものになる」との見解を示した。  

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