[ロサンゼルス 30日 ロイター] 1977年の米国での淫行(いんこう)事件に絡みスイスで拘束されたロマン・ポランスキー監督が、米国へ引き渡された場合、30年前当時よりも厳しい判決が下される可能性がある。
ポランスキー監督は、国外に逃亡する以前に司法取引で罪を認め、検察側が42日間の禁固刑を求刑することで合意していた。しかし、同監督はこの司法取引が裁判で考慮されず、禁固50年が科されることを恐れ、国外に逃亡した。
一方、米国での性犯罪に対する刑は当時に比べ厳しくなっており、法律の専門家らは、約30年前のような条件で司法取引が行われることはないだろうとの見解を示している。
ロサンゼルスのロヨラ大学ロースクールのスタン・ゴールドマン教授は、「(ポランスキー監督が)今、法廷に立たされれば、2度と日の光を見ることができなくなる可能性もあるが、当時の考え方はもう少し穏やかだった」と話した。
13歳の少女に対し違法にみだらな行為をした同監督は当初、性的暴行の罪に問われたが、被害者が証言することを望まなかったことなどを理由に、性的暴行罪での起訴は司法取引で取り下げられていた。