October 1, 2009 / 10:37 AM / 11 years ago

日銀は異例の措置「出口」に向け前進、企業の資金繰り改善で

 10月1日、日銀が発表した9月短観で大企業・中小企業ともに資金繰り判断の改善が確認され、「異例の措置」として実施している企業金融支援策の解除に向け前進。写真は日銀本店。9月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 1日 ロイター] 日銀が1日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業・中小企業ともに資金繰り判断の改善が確認され、コマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れなど「異例の措置」として実施している企業金融支援策の解除に向け前進した。

 日銀は短観結果をシナリオに沿った動きと前向きに捉えており、期限の12月末を待たずに前倒しで、解除を決断する可能性がある。

 企業の資金繰り判断では「楽である」から「苦しい」を引いた指数が、大企業がプラス6、中小企業がマイナス18と、それぞれ5ポイント、2ポイント改善した。日銀内には9月の金融経済月報で示した「中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている」との見方があらためて裏付けられたとの声が多く、異例の措置からの「出口」議論につながる可能性が濃厚だ。

 市場には、改善の動きは続いているが、中小企業の資金繰り判断は依然として「苦しい」が「楽である」を上回った状態にあることを懸念する声もある。ただ、これについては、過去をみると中小企業の資金繰り判断は景気回復・拡大期でも「苦しい」超で推移していることが多く、その水準は割り引いてみる必要がありそうだ。

 異例の措置はあくまで「リーマン破たん以降の急性症状に対応するための時限措置として導入したもの」(白川方明総裁)と日銀は位置付けており、その急性症状は「各国で採られたさまざまな対策の効果もあって、今年春頃ごろから解消してきている」(同)と認識している。したがって企業の資金繰りも収益に見合った苦しさであるならば、筋論として解除もあり得るとのスタンスだ。

 日銀は9月の金融政策決定会合で金融環境の判断を「なお厳しい状態にあるものの、改善の動きが続いている」から「厳しさを残しつつも、改善の動きが広がっている」に上方修正。加えて景気の下振れリスク要因から国内の金融環境を外すなど、異例の措置を解除するという「出口」への布石を着実に打っている。

 須田美矢子審議委員は9月9日の講演で「企業金融を取り巻く環境は、通常の資金供給オペで代替しても安心感を損なわないレベルにまで、改善しつつあるのではないか」と政策委員として初めて「出口」に向け踏み込んだ発言をした。日銀内には応札額がオファー額に満たない「札割れ」が続いているCPや社債の買い入れは解除しても影響は少ないとの見方が目立ち始めており、出口に向けたハードルは一段と低くなりつつある。

 ただ、残高が約7兆円にのぼる企業金融支援特別オペについては扱いを別にすべきとの声もあり、出口はそれぞれの状況に応じて個別に判断することになりそうだ。 

 (ロイターニュース 志田 義寧記者 取材協力:児玉 成夫記者 編集:田巻 一彦)

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