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原油取引でのドル利用停止協議との報道、ドルの地位低下を反映
2009年10月6日 / 05:19 / 8年前

原油取引でのドル利用停止協議との報道、ドルの地位低下を反映

 [シンガポール 6日 ロイター] 英インディペンデント紙が6日、アラブ湾岸諸国が原油取引でのドル利用を停止し、人民元などで構成する通貨バスケット建て取引に移行する案をロシア・中国・日本・フランスと極秘に協議していると報道、ドルの地位低下が裏付けられる形となった。

 10月6日、原油取引でのドル利用停止協議との報道は、ドルの地位低下を裏付けられる形となった。写真はトロントで昨年3月に撮影した米ドル紙幣(2009年 ロイター/Mark Blinch)

 同紙がアラブ諸国や中国の匿名の銀行筋の情報として伝えたところによると、ドルの代わりに使う通貨バスケットは、円・人民元・ユーロ・金のほか、サウジアラビア、アブダビ、クウェート、カタールなど湾岸協力会議(GCC)関係国が計画している統一通貨などで構成される。

 原油の取引通貨としてドルを使うのをやめること自体は、イランがすでに実行していることでもあり、それほど困難ではないかもしれない。

 ずっと難しいのは、原油価格の設定をドル建てから変えることだ。現在はニューヨークからドバイ、シンガポールまで、原油のベンチマーク価格はドル建てとなっており、これを変えるには大変な努力が必要だ。

 つまり、原油取引でのドル利用停止が仮に実行された場合には、輸出国は外貨準備の多様化が容易になり、輸入国は代金支払いのためにドルを取得する必要性がなくなるという点では外為市場にとって大きなニュースだろうが、原油取引自体の革命につながるとは考えにくい。

 ドル建ての原油取引停止は新しい案ではなく、ドルの下落に伴いここ10年、度々浮上しているが、これまでのところ実現したことはない。

 原油のドル以外での売買シェアが上昇したとしても、こうした売買の価格を決定する指標がドル建てという現実を変えることにはならない。 

 <原油の指標価格はドル建て> 

 原油の取引通貨をドルから変えようとする上で障害になるのは、アラブ産油国と米国との間の強固な政治的結びつき以外に、世界で最も流動性の高い原油市場はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)であり、それに続くのはロンドンのブレント先物という現実だ。

 ドバイで2年前に取引が始まったオマーンの原油先物もドル建てだ。

 アラブ産油国が原油輸出に関する規制を緩和し、ベンチマーク設定が自由にならない限りは、産油国が取引通貨に影響を与えるのは困難だ。

 日本と中国では、自国通貨建ての原油先物取引が行われているものの、最終的には域内のドル建てベンチマークにリンクバックしている。

 <兌換性の問題> 

 人民元やアラブ湾岸諸国の通貨の多くが完全兌換性を持っていないという問題も、ドル利用停止に向けた動きにとって大きな障害となるとみられる。 

 <イランの事例> 

 イランは、ドルの利用低減という点では、一定の成功を収めている。

 イランは2年前、アジアの顧客に対し、ドル以外の通貨での決済を要請。大半が同意した。しかしイランは依然として、輸出価格を決定する際、ドル建ての指標価格にリンクしたフォーミュラを参考にしている。

 イランは石油輸出国機構(OPEC)に対し、国際価格の算定にドルを使わないように要請しているが、今のところ支持は得られていない。

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