December 8, 2009 / 8:46 AM / 9 years ago

インタビュー:次世代に続く日本応援ファンド立上げへ=鎌倉投信

 [鎌倉/神奈川 8日 ロイター] 独立系運用会社で10社目となる「鎌倉投信」が12月1日、産声を上げた。年明けにも投信協会への加盟承認などを経て、年度内には持続的成長を目指した長期投資の日本株投信を立ち上げる。

 同社の鎌田恭幸代表取締役社長は「これからの日本に必要な企業に資金を投じることで、これからの社会を創るいい会社が育てば、当然、投資家個人の資産も潤い、企業も発展し、その分社会も豊かになると思う」と語り、日本で大切にしたい・育成したい企業を応援するファンドを、直接販売で個人投資家に提供していく考えを明らかにした。ロイターとのインタビューで述べた。

 同社長は、「色々な人と話をするなかで、今うまく世の中に流れていない個人の資金で、きちんとした投資はできないものかと漠然と考え、時間が経つうちに、創業メンバーの4人が集まった。その中で、どういう形がいいのか、どういう商品、サービスがいいのかを議論していくうちに、投資信託の直販ということになった」と会社立ち上げの経緯について語った。直販にこだわったのは、自分達の運用の考え方を直接投資家に届けたいという気持ちから。同社長は、投資の中では株価的な魅力度も考えていかなければならないとしながらも、これからの社会を創るいい企業に投資していくうえで、持続的な社会を創っていくという観点では「人材を活かす会社であったり、自然や環境、地域社会とのバランスをとる会社であったり、オンリーワンの技術、感動的なサービスを提供する会社などが、これからの社会に必要とされる」と考えている。

 鎌田社長はこうした企業について「上場企業で誰もが知っているビッグネームというよりは、むしろ地方でニッチなところで活躍している企業などがある」とし、そういう企業を自分達が選んできては、地名度が高くないこともあり、投資家にはきちんと伝えていく必要性があるとしている。その背景には「個人のお金が、どういう会社に流れていて、それがどういう風に社会で役立っているのか、という自分のお金の循環──それが回りまわって自分の資産の価値の増加につながるということを身近なものとして感じてもらいたい」(同社長)という思いがある。

 鎌田社長によると、こうした思いの詰まった同社が年度内にも立ち上げを考えいてるファンド(公募投信)は、グローバルに株式や債券に投資できる枠組みになっている。ただ設定当初の投資先は日本企業でスタートする予定。ファンドの最終形としては100銘柄前後のポートフォリオを想定している。ファンドの規模については、3年で100億円程度が目標というが、鎌田社長は「規模の追求というよりは価値観を共有できる投資家と企業を結び付けて行きたい」としている。

 現在、投信市場での日本株ファンドのウエートは縮小傾向を辿っているが、同社長は「自分達のお金が自国の将来のために向かっていない状況にある」としたうえで、「短期的にはいいかもしれないが、何十年というスパンで見た場合、新しいものを生み出すような企業にお金が向かわないというのは、日本にとっても、個人の資産形成においてもいいことではない」と指摘した。

 単に基準価額の上げ下げだけで語られがちな投資リターンの概念についても、鎌田社長は「資産形成は第一義で考えなくてはいけないが、その裏で投資したお金で豊かな社会が形成されるような、そういう企業にお金が向かっているとか、そういう企業を支えることで得られる投資家の満足度などを含めてリターンの概念を捉えていかなければいけないと思う」とし、「もう少し広い枠組みでリターンを捕らえていけば、腰の据わった投資ができるのではないかと思う」と語った。

 また長期投資については、長く持つことによって価格の変動が抑えられるから長期投資がいいという説明の仕方がある中で、同社長は「自分としては、投資というのは株価に投資するのではなく、その裏にある企業の事業に投資するものだと思っている。企業の事業のサイクルや、何かを生み出す研究開発などには少なくとも何年間はかかるし、10─20年かかかることもざらにあると思う。そうした事業スパンをコミットした上で、投資するとなると長期投資になる」と述べた。

 (ロイター日本語ニュース 岩崎 成子記者、程 近文記者)

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