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2010年度予算は埋蔵金頼みの「苦肉の策」
2009年12月26日 / 02:04 / 8年後

2010年度予算は埋蔵金頼みの「苦肉の策」

 [東京 25日 ロイター] 政府は25日、2010年度予算の政府案を臨時閣議で決定したが、当初ベースで過去最大に膨らんだ歳出を賄うため、過去最大規模の赤字国債発行と特別会計といういわゆる「霞が関埋蔵金」をフル活用する「苦肉の策」に頼らざるを得なかった。

 12月25日、政府は2010年度予算の政府案を臨時閣議で決定したが、いわゆる「霞が関埋蔵金」をフル活用する「苦肉の策」に頼らざるを得なかった。写真は左から菅担当相、藤井財務相、平野官房長官(2009年 ロイター/Issei Kato)

 財政事情が一段と悪化するなか、予算案決定後の閣僚発言からは、今後の財源確保について景気回復頼みの姿も浮かび上がった。

 2010年度予算・政府案は、一般会計総額92兆2992億円、一般歳出53兆4542億円といずれも当初ベースで過去最大に膨らんだ。「子ども手当」などマニフェストに掲げた主要政策の実現や雇用・地方支援など景気対策、社会保障費の増加などが要因だが、これを賄う歳入は、柱となる税収が大きく落ち込むなか、多くを新規国債発行と税外収入に依存する不安定な内容となった。

 具体的には、新規国債発行額を予算編成方針に掲げた「約44兆円以内」に抑制するため、特別会計からの繰り入れを中心とした税外収入について過去最大の10兆6002億円を捻出。藤井裕久財務相は会見で、特別会計という「霞が関埋蔵金」に頼らざるを得なかった実情を「苦肉の策」と表現した。

 2010年度予算は埋蔵金の活用で何とか乗り切ったものの、「子ども手当」や高校の実質無償化など継続的な政策に対し、恒久財源とならない埋蔵金の活用は政策の持続性に疑問を残す。

 さらに、民主党がマニフェストに掲げた主要政策は、「子ども手当」の支給額が2010年度の1人あたり月額1万3000円から2011年度には倍増の2万6000円になるなど今後も歳出増圧力がかかり続ける。

 一方、今回の予算で埋蔵金をフル活用したことで財政投融資特別会計は積立金の残高がゼロとなるなど「特別会計の埋蔵金は底をついた」(藤井財務相)状態となり、埋蔵金頼みも限界にきている。

 鳩山由紀夫首相は予算案決定を受けた会見で、こうした厳しい財政事情を踏まえて「来年前半には中期財政フレームを策定して複数年度を視野に入れた財政運営戦略を示し、財政再建への道筋を示す」と財政規律の重要性を強調した。

 ただ、今後の消費税率引き上げの可能性について「4年間は引き上げないという約束であり、増税はしない」とあらためて否定。消費税増税が封印されるなか、主要閣僚からは、財源確保の観点からも今後の景気回復を期待する発言が目立った。

 藤井財務相は、今後の予算のやり繰りについて問われ、「経済を順調に回復させることが大事だ」と指摘。その上で、2010年度予算には「消費をサポートするお金、雇用を守るお金、地方へのお金が相当に入っている」とし、予算の執行によって「経済の回復基調が必ず出てくる」と期待感を示した。

 政府は、予算案を決定した臨時閣議において2010年度の政府経済見通しを了解。国内総生産(GDP)成長率を前年比で実質プラス1.4%とし、3年ぶりのプラス成長を見込んでいる。

 菅直人副総理兼国家戦略担当相は、景気を自律回復に乗せる契機としてアジア経済の好調や緊急経済対策・2010年度予算のプラスを効果をあげ、「来年半ば以降には(自律的な回復を)期待したい」と語った。

  (ロイターニュース 伊藤純夫)

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