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JAL株が60円まで急落、法的整理織り込み始め

 12月30日、経営再建策をめぐり不透明感が強まっているJALの株価が一時60円まで急落。写真はJALの本社。1月撮影(2009年 ロイター)

吉池 威記者

 [東京 30日 ロイター] 経営再建策をめぐり不透明感が強まっている日本航空(JAL)9205.Tの株価が一時60円まで急落し、市場参加者は法的整理による処理を織り込み始めた。

 今後、同株損失の穴埋めのため他の保有株を売却する動きが強まった場合、全体の株価を押し下げるとの懸念が浮上している。一方で、再建策では関係閣僚間でも意見に食い違いがあり、法的整理にならない可能性も残っていることから、株価が50円を割り込むところまで売り込まれた場合、ファンド勢が一気に同株を買い集める、との思惑も出ている。

 30日のJAL株は朝方から売り優勢で、上場来安値85円を下回る76円で寄り付き、前場に一時60円まで下げた。個人投資家を中心とする投げ売りが観測された。企業再生支援機構が燃料や備品購入などの一般商取引債権は全面的に保護しつつ、不良債権を処理しやすい会社更生法などの法的整理を活用して支援を進める案を検討している、との報道が背景。

 日興コーディアル証券シニアストラテジストの河田剛氏は「法的整理になった場合には、株券が文字通り紙くずになってしまうので、株主にとっては最悪のシナリオ」と指摘する。邦銀系の株式トレーダーは、法的整理による処理となっても「指数自体に影響は限定的」との見方を示す。実際、外為市場でドル/円が92円台と円安方向となっていることを受け、輸出株を中心に海外勢が積極的な買いを入れ、日経平均は底堅い値動きとなっている。

 東京海上アセットマネジメント投信シニアファンドマネージャーの久保健一氏はJAL問題で地合いはやや悪化しているものの「JALの法的整理は織り込みつつある」と述べた。また、足元の銀行株売りはJAL問題というよりも、年明け以降の金融機関の増資見通しによる懸念の方がより大きな材料になっていると指摘している。ただ、先の邦銀系株式トレーダーは法的整理の場合には「JALの株主が穴埋めしようと、保有する別の株を売る動きを心配している」と指摘する。

 JALの株価は11月18日、2002年の旧日本エアシステムとの統合後以来、初めて100円を割り込んだ。前原国土交通相がこの日午前の国会で、日航について「法的整理をしないとは言っていない」と述べたことから、市場では経営再建をめぐる不透明感が一層強まり、投資家の売りを誘った。100円を割り込んだ時点で、生保や損保をはじめとする機関投資家がいっせいに同社株を手放す動きが出た、との観測もある。

 一方で、法的整理は考えにくいとして海外勢のショートカバーも入り、いったんは値を戻したと大手証券の株式トレーダーは指摘する。藤井財務相は30日午前に開かれた臨時閣議後の記者会見で、法的整理になるかどうかはわからないなどと述べており、「株価が50円を割り込んだらファンドの投資対象になる」と大手証券の株式トレーダーはみている。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者 編集 橋本浩)

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