[ニューヨーク 8日 ロイター] 米労働省が8日発表した12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月に比べて8万5000人減少し、前月比変わらずとの予想より悪い結果となった。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●雇用は一服状態にある
<ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏>
非農業部門雇用者数は予想以上に悪い数字だったが、われわれは雇用見通しが反転したというよりも一服状態にあるとみている。各項目はやや心強いといえるが、全体的にみると恐らく米経済をめぐる楽観的な見方に反する。
●8月の米利上げ観測を支持する内容ではない
<ドイツ銀行のシニアエコノミスト、トルステン・スロック氏>
今回の数字はわれわれの予想より悪かった。ただ、同時に、過去数カ月を見るとトレンドは依然上向いている。雇用が伸びなかったのはもちろん残念だが、この統計は非常に振れが大きく、単月の数字に基づいてしっかりした判断を下すことはできない。
市場は米連邦準備理事会(FRB)が8月に利上げすると予想していたが、この統計は明らかに、そうした見方を支持する内容ではない。
●FRBの引き締めは先の話
<ファースト・アメリカンファンズの首席エコノミスト、キース・ヘンブレ氏>
統計上、一部12月の数字が11月に取り込まれるかたちになったことがある程度影響しているのではないか。2カ月分を合わせると、平均で約4万人減となり、これは労働市場の弱さが幾分緩和している傾向と合致しているようだ。ただ全体的に安定し雇用創出が始まる段階には至っていない。
連邦準備理事会(FRB)の引き締めはまだかなり先の話だ。FRBが政策調整の開始に向けた準備を進めるという前向きな様子をみせた場合、やや先走っているように感じる。