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S&P、日本国債のアウトルックを安定的からネガティブに変更
2010年1月26日 / 07:49 / 8年後

S&P、日本国債のアウトルックを安定的からネガティブに変更

 [東京 26日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は26日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けのアウトルックを安定的からネガティブに変更した。

 1月26日、S&Pが日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けのアウトルックを安定的からネガティブに変更。写真は昨年8月、都内上空で(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 S&Pによると、アウトルックの変更は日本の経済政策の柔軟性が縮小しており、財政圧力・デフレ圧力を食い止める対策がとられなければ、格下げになる可能性があるとの見解に基づく。

 日本の一般政府債務残高の対国内総生産(GDP)比率は2010年3月末時点で100%に達する見込みにあり、日本はS&Pの格付け先ソブリンのなかで一般政府の債務負担がもっとも重いグループに属している。しかも、民主党政権の政策では、財政再建がS&Pの従来の予想より遅れる見込みにある。S&Pは一連の社会政策が中期的な経済成長見通しの向上を見込みにくいことやデフレ圧力が根強いことも勘案すると、日本の一般政府債務残高は今後数年で対GDP比115%に達する可能性が高いとみている。

 長期・短期ソブリン格付けは外貨建て、自国通貨建てともに、それぞれAA、A─1+に据え置いた。格付け据え置きは、高水準の対外純資産残高、準備通貨としての円の地位、世界的な金融危機に対する耐性を示した金融セクター、多様化された経済に基づく。これらの強みにより、たとえ財政再建がさらに遅れて格下げとなった場合でもAA格にとどまる見通し。

 高水準の対外純資産と世界の基軸通貨としての円の重要性に支えられ、日本政府は潤沢な対外流動性を維持するとともに、世界の資本市場から資金調達を行うことが可能となっている。日本の2009年末の対外純資産残高は概算で経常取引受取額の309%と世界最大、同年末の外貨・金の準備高は1兆ドルで、中国に次いで世界第2位。S&Pでは経常黒字が続いていることから、対外純資産は今後数年でさらに増加するとみている。

 重い債務負担と人口の減少傾向から考えて、経済指標が弱さを示したまま、中期的な成長戦略がとられなければ、格付けを1ノッチ(段階)引き下げる可能性がある。S&Pでは2010年前半に発表される予定の中期財政計画に、財政再建に向けた政策が盛り込まれると考えている。7月の参議院選挙後にも追加的な政策が公表されるとみている。一方、財政面または構造改革面の政策によって、一般政府債務の増加が抑制される見通しとなった場合、格付けは現水準で安定する見通し。

  (ロイター日本語ニュース 片山 直幸)

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