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ギリシャ、4─5月の国債償還を控え信認回復が急務に

 [アテネ 12日 ロイター] ギリシャは4─5月に大量の国債償還を控えており、欧州連合(EU)が具体的なギリシャ救済策を打ち出しても、市場の信認回復は時間との戦いになりそうだ。

 2月12日、ギリシャは4─5月に大量の国債償還を控えており、EUが具体的なギリシャ救済策を打ち出しても、市場の信認回復は時間との戦いになりそうだ。写真はパパンドレウ首相。11日撮影(2010年 ロイター/Francois Lenoir)

 EUは11日の臨時首脳会議で、ギリシャの財政再建を支援することで合意したが、具体的な対策は打ち出しておらず、債券市場の不安は後退していない。

 ギリシャ財務省が国庫に保有するのは約70億ユーロ。4─5月に2回、約200億ユーロ(275億ドル)の国債償還がある。

 このため、15日のユーロ圏財務相会合、16日のEU財務相理事会で具体的な対策が打ち出されても、投資家の信認回復には不十分との見方が出ている。

 UBSのストラテジスト、ジャスティン・ナイト氏は「市場や他のユーロ圏諸国に遅滞ない財政再建を示せるかが、ギリシャの大きな課題となる」と述べた。

 1月25日に行われた今年初の国債入札(5年物)では、投資家の応募が殺到、80億ユーロの調達を無事終えたが、6.1%という高い利回りの設定を余儀なくされた。

 利払い負担の増大は予算を圧迫するだけではない。国内銀行が家計・企業向けの貸出金利を引き上げれば、景気回復を阻害する要因になる。

 今年の借り入れ必要額は532億ユーロ。すでに調達したのは130億ユーロにすぎない。次は2月か3月に10年物国債を発行する予定だが、政府は、EUの救済策がまとまれば発行利回りが低下するとみて、起債を先送りしている。

 しかし、12日の金融市場では、ドイツ国内でギリシャ支援への政治的な反発が強まれば、救済策の内容が薄められるとの見方が浮上。同日発表のギリシャの国内総生産(GDP)統計も予想を下回り、ギリシャ国債のスプレッドは拡大、ユーロも下落した。 

 <次の国債発行は来月以降に> 

 ギリシャのある大手国内銀行の財務担当役員は、政府がこのほど発表した賃金・税制措置が今月議会で可決されるまで、次の国債発行は見送られるとの見方を示した。

 ギリシャ政府は、財政赤字を昨年のGDP比12.7%から2012年までに同3%以下に引き下げる野心的な財政再建計画を発表。EUも計画を支持した。

 同役員は「市場とEUに結果を示すための時間が必要だ。3月前では早過ぎる」と述べた。 

 ただ、労働組合が財政再建の足かせとなっている。

 公務員労組連合組織「ギリシャ公務員連合」(ADEDY)は10日、24時間ストを実施。緊縮財政の撤回を求め、さらにストを実施する構えを見せている。

 同国の公的債務は、今年GDP比120%を超える見通しで、厳しい改革を断行しなければ、財政問題は解決できない。

 ミレニアム・バンクの財務担当役員パナヨティス・ディミトロポロス氏は「市場の信認回復は時間との戦いだ」と指摘。春の国債発行は無事通過できるとの見方を示した。

 幸い、ギリシャの債務の平均残存期間は、他のユーロ圏諸国に比べて長い。デュレーション(加重平均)は7.8年で、ユーロ圏で2番目に長い。 

 公的債務は約3000億ユーロ、今年の借り換え必要額は302億ユーロ以上。残存期間が短ければ、問題はさらに深刻化していたとみられる。

 ギリシャ公的債務管理庁(PDMA)の当局者は「残存期間が長く、借り換えの比率が少なくて済むことは大きなメリットで、非常に助かった」と指摘。「4月と5月の借り換えを乗り切れば、楽になるだろう」と述べた。

 ギリシャ政府は、今年の国債管理政策を柔軟に進める方針を示している。市場の反応を見ながら、短期国債の発行、変動利付き国債の私募発行、協調融資など、様々な選択肢を検討するとしている。

 ミレニアム・バンクのディミトロポロス氏は「ギリシャは、機会がある限り、資金を調達する必要がある」と指摘。

 「ただ、それにはコストが伴う。短期債の発行を増やせば調達コストを下げられるかもしれないが、流動性リスクは増す」と述べた。

 (George Georgiopoulos記者;翻訳 深滝壱哉)

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