March 5, 2010 / 2:27 AM / 10 years ago

株が日銀の追加緩和報道で反発:識者はこうみる

 [東京 5日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発し、前日比200円を超える上昇となっている。米国株式の上昇や、日銀が追加金融緩和を検討するとの一部報道で円安に振れることを期待した買いが先行している。

 3月5日、日経平均は米国株式の上昇や日銀が追加金融緩和を検討するとの一部報道を受け反発。写真は昨年12月、日本銀行本店ビル(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 市場関係者のコメントは以下の通り。

 ●日銀追加緩和なら円安/株高の公算

 <三菱UFJ証券 シニア投資ストラテジスト 吉越昭二氏>

 先物の売買高が膨らんでおり、きょうのところは短期筋の買い戻しが中心だろう。

日銀が追加金融緩和を検討との一部報道に反応している。本来なら期末の決算にあわせて3月中の政策対応が必要であり、報道のように4月ではやや遅い印象もある。参院選を意識した政治的な圧力もあるのかと考えたくなる。

 ただ、他の中央銀行と比べて強い緩和姿勢を示してこなかった日銀が12月の新型オペ導入に続き、追加緩和に踏み切るとなれば、再びカネ余りが顕著になり、円安/株高の構図が読めるようになる。海外勢の買いも再び増加すると考えられる。

 3月中は来週の先物・オプションSQ(特別清算指数)算出や決算対策の売りなど需給の波乱要因を抱えているが、4月以降はニューマネーの流入や企業業績への期待感が高まりやすい。日経平均は1万2000円を目指す展開になるとみている。

 ●日銀の追加緩和策で日米金利拡大へ、リスクは中国利上げ

 <東京海上アセットマネジメント投信 シニアファンドマネージャー 久保健一氏>

 日銀の追加金融緩和策についての報道で、米国の利上げ時期が次の焦点になってきた。米利上げは今年後半から来年とみられているが、実際に利上げに踏み切るまでは利上げ期待とその収縮の繰り返しで、利上げに踏み切ってからは日米金利差が開き始め、円安基調が続いて日本株にはポジティブとなる。目先の円高トレンドへのリスクは後退したとみていいだろう。

 リスクは中国の利上げだ。米国よりもその時期は早いとみられており、人民元高に連動して円高に振れ、日米金利差の拡大期待を背景とした円安の効果を打ち消す可能性もある。中国の利上げがなければ、日本株は底堅く推移し、夏前までに日経平均株価は1万1000円を目指す展開を想定している。

 ●日銀追加緩和検討報道で海外勢の日本株買い再現への期待

 <みずほ証券 エクイティストラテジスト 瀬川 剛氏>

 商品投資顧問業者(CTA)が前日作ったショートポジションを巻き戻しているとみられるほか、日銀が追加金融緩和を検討との一部報道で海外勢の日本株買いが再開するのではないかとの期待が買いの要因となっている。

 前年12月に日銀が緊急会合を開いて新型オペ導入を決定したときは、国内からの評価はそれほど高くなかったものの、海外勢が高く評価して日本株買いを進め、円安が進んだこともあり、日経平均は9000円割れ寸前の水準から1万1000円近くまで約20%も上昇した。時価総額では50─60兆円も増加した計算になり、経済効果も小さくなかった。

 デフレを止めるにはやはり財政政策が必要だとは思うが、こうした効果を目にすると日銀への圧力も大きくなってきてしまうだろう。ただ、株価押し上げなどを期待して金融政策への圧力が高まるのは、その反動も考えると好ましくないことも確かだ。

 ●海外要因の落ち着きに安心感

 <大和証券キャピタル・マーケッツ 金融証券研究所投資戦略部 部長 高橋和宏氏> 

 日経平均は、米株上昇やギリシャ国債の順調な入札、ドル/円など為替の落ち着きを好感して、前日に押された分、買い戻しが入っている。中国の全国人民代表大会が始まったが、今のところマーケットにとって特にマイナス材料が出ていないことも下支えとなっているようだ。日銀による追加の金融緩和検討との一部報道は、相対的に2次的な材料とみている。

 ただ、日経平均は前週の高値水準近くまで戻ってきたに過ぎない。今夜発表の2月米雇用統計を受けた米株の反応で、方向性が出てくるのではないか。加えてギリシャの財政問題に対する支援を欧州連合(EU)が行なうのか国際通貨基金(IMF)が行なうのか、流動的な現在の状況に落としどころがみえてくれば、市場の安心感が増す可能性がある。

 ●昨年11月以降の上昇相場を再現する可能性も

 <コスモ証券・投資情報部副部長 清水美三津雄氏>

 これまで100円台の低位株が物色され急騰するなど、流動性相場の初期段階に起きる動きが目立っていた。ここで日銀が実際に追加緩和を実施することになれば、流動性を支えにした相場が繰り広げられることになろう。

 昨年11月のドバイショック後も、内容はともかくとして、日銀の緩和姿勢が鮮明になったことを受け、1月にかけて鋭角的なリバウンド相場を演じたが、ギリシャ問題など欧州のソブリンリスクが懸念される中にあって、日銀の追加緩和策報道はこの戻り相場を連想させた。国内勢の決算に絡んだ売りがそろそろ一巡しそうなほか、海外機関投資家は買い姿勢にあるなど需給の好転が期待できる点も踏まえると、昨年11月以降の大幅上昇が再現される可能性もある。

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