March 26, 2010 / 9:19 AM / 8 years ago

景気持ち直す中での追加緩和、より刺激的な効果=宮尾日銀審議委員

 [東京 26日 ロイター] 宮尾龍蔵・新日銀審議委員は26日午後の就任会見で、日銀が3月の金融政策決定会合で決めた新型オペの拡充について、一般論としたうえで、景気が持ち直す中での追加緩和は景気に対してより刺激的な効果を持ちうる、との認識を示した。

 また、今後の金融政策運営に関しては、極めて緩和的な金融環境を維持し、企業・家計の前向きな取り組みを支援していくことが重要と語った。

 <足もとの景気はかなり持ち直し、デフレは需給ギャップが要因>

宮尾氏は日本経済の現状について「世界的な金融危機で厳しい落ち込みを経験したが、各国の政策対応や新興国の力強い成長で、足もとはかなり持ち直している。しかし、雇用・所得環境は依然として厳しい」との認識を示し、先行きは「いろいろなリスク要因、不確実性がある」と語った。

 デフレ状況にある物価については「金融危機後の世界的な景気の低迷、将来不安による支出の抑制・低迷が現在の需給ギャップの主な原因」と分析し、デフレはこうした需給ギャップが要因と指摘した。

 <極めて緩和的な金融環境維持、中長期的な規律確保が重要>

 こうした認識を踏まえ、日銀の金融政策対応は「極めて緩和的な金融環境を維持し、企業・家計の前向きな取り組みを金融面から支援していくことが重要」と主張。世界的な経済・金融危機に対応するため、各国が相次いで実施した経済対策によって「財政赤字、財政破たんに対する懸念が広がっているのは各国共通」とし、「日本としては、中長期的な視点から、いろいろな政策運営や規律の確保をしっかり担保していくことが重要だ」とも語った。

 <新オペ拡充、実体経済により刺激効果>

 日銀は3月の金融政策決定会合で、昨年12月1日に導入を決めた0.1%の固定金利での共通担保資金供給オペ(新型オペ)の供給額を10兆円程度から20兆円程度に引き上げることを決めた。

 これに対して宮尾氏は、一般的な考え方とした上で「景気が持ち直している局面で追加緩和を行った。こうした局面で金利をわずかでも低下させる、極めて低い金利水準を維持することは、実体経済に対し、より刺激的な効果を持ちうる」と指摘。特に「企業の収益力が向上し、経済に対して中立的な金利水準が上昇する場合に、そうしたことが言える」と述べた。 

 <過去の量的緩和、流動性危機・金融システム対策に効果>

 また、過去に日銀が実施した量的緩和政策の効果については「流動性危機、金融システム対策として効果があったと思う」と評価。一方で、量的緩和が景気や物価に与えた影響に対しては「当時の日本経済は銀行部門が傷んでおり、その意味では(影響は)限定的との評価が大勢と思うが、結論は出ていない。現在、学術的な研究が進行中だ」と述べるにとどめた。

 宮尾氏は1964年7月生まれ。87年3月に神戸大学経済学部を卒業、89年3月に経済学修士(神戸大学)取得、94年11月にPh.D.(ハーバード大学)取得、2003年4月に神戸大学経済経営研究所教授、08年4月に同研究所所長に就任した。

 (ロイターニュース 伊藤純夫 児玉成夫)

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