April 1, 2010 / 7:46 AM / 9 years ago

インタビュー: 郵政資金を成長分野や外債に=原口総務相

 [東京 1日 ロイター] 原口一博総務相は1日、ロイターのインタビューに応じ、郵政改革に伴う郵便貯金や簡易生命保険の資金運用について、世界最大の機関投資家にふさわしい運用体制が必要との認識を示し、運用対象として国家戦略に基づいた成長分野や安定利回りなどを重視した外国債券などへの投資が考えられると語った。

 4月1日、原口総務相は郵便貯金や簡易生命保険の資金運用について、国家戦略に基づいた成長分野や外債への投資が考えられると語った。写真は東京都内の郵便局で2007年10月撮影(2010年 ロイター/Toru Hanai)

 現在、運用の大部分を占めている国債に対しては「持ってもらわなければいけない」としたが、国債運用にもリスクがあり、ヘッジが必要と指摘。資金運用に占める国債比率の圧縮に関して「一気に引き下げると国債マーケットへの影響が考えられる」とし、「市場の声を聞きながら、ということになる」との見解を示した。

 郵政改革法案をめぐっては、郵貯と簡保の限度額引き上げなどを盛り込んだ原口総務相と亀井静香郵政・金融担当相の案に対し、民業圧迫懸念などの批判が出て閣内が迷走。最後は30日の閣僚懇談会で、鳩山由紀夫首相が原口・亀井案を指示、郵貯の預入限度額が2000万円(現行1000万円)に、簡保の加入限度額が2500万円(同1300万円)にそれぞれ引き上げられることが決まった。

 原口総務相は郵政事業について「これまで長い間、大きなガリバーが手足を縛られていた。ガバナンスの欠如による大きな業務停滞の危機を迎えている」との認識を示し、税金を使わずに民営化会社を運営していくには、金融2社の手数料が「非常に大事だ」と指摘。そのためには金融会社のパフォーマンス向上が不可欠と述べ、日本郵政に対して「世界最大の機関投資家が、機関投資のノウハウを持たないでお金を集めることこそが悪。目利きできる仕組みをつくって下さいというのが私の考え」と要請した。

 インタビューの概要は以下のとおり。

 ──郵政改革の狙いと運用のあり方について

 「これまで長い間、郵政という大きなガリバーが手足を縛られていた。このガリバーのいろいろなところに厳しいものが出てきており、ガバナンスの欠如による業務停滞の危機を迎えているというのが現状認識だ。その一つの解として、民営化会社を税金を入れずに運営していく。そのためには、金融2社からの手数料は非常に大事だ」

 「しかし、金融2社は縮小トレンドにあり、うまくパフォーマンスをやらないとだめ。そのため、官民連携による事業への国内投資、今後、成長が期待される分野への投資、安定性のある利回りなどを重視した外国債への投資も考えられると言っている。世界最大の機関投資家が、機関投資のノウハウを持たないでお金を集めることこそが悪。目利きできる仕組みをつくって下さいというのが私の考えだ」

 ──そうした資金運用について財政投融資の復活との指摘がある。

 「どうしてそのような話になるのか。小さなプロジェクト融資だけでは(いけない)。これは財投ではない。国家戦略に基づく資源集中は当たり前のことだ」

 ──現在の資金運用は国債偏重といわれるが。

 「現在、郵貯の8割、簡保の7割が国債で運用されている。(旧政権の郵政民営化が)官から民へをうたい文句にスタートしたが、その後も国債の受け手としての存在感は変わっていない。さまざまな見直しが必要だ。年金も積極運用、安全運用という観点ではなく、成長に向けた資金運用は常識。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日本郵政でどのようなガバナンスが果たされてきたかをチェックするのは政府の務めだ」

 ──今後、日本国債に対する投資比率を引き下げるということか。

 「一気に引き下げると国債マーケットへの影響が考えられる。市場の声を聞きながら、ということになる。巨大な資金であり、一挙に郵貯資金の8割のうち、3割、4割も(国債以外に)使うという選択肢はない。国債は悪ではなく、持ってもらわなければならない。ただ、リスクはゼロではなく、そのリスクをヘッジしましょうというのが考え方。議論をせずに、漫然と国民の資産や年金保険料を民業圧迫のようなかたちで預かっているのが無理ということだ」

 ──年金運用のあり方をどう考えるか。

 「私見だが、資金運用のポートフォリオが1回も見直されておらず、リーマンショック後も見直されていない。資産運用の中心である国債にも価格変動リスクが存在している。より安全性を高めるため、負債の期間とマッチングさせた年限のものを組み入れる必要がある。組み入れて満期保有させることで、リスクを軽減することが考えられる」

 (ロイターニュース 伊藤純夫 佐野日出之)

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