April 19, 2010 / 7:26 AM / 9 years ago

中国が株価指数先物の取引解禁、ファンド業界に新時代

 [上海 16日 ロイター] デリバティブ(金融派生商品)である株価指数先物の取引が中国で解禁され、上海市の中国金融先物取引所で16日、取引が始まった。これにより新たな投資商品が生まれ、長期的には中国のファンド業界の発展につながると期待されている。

 4月16日、株価指数先物の取引が中国で解禁され、上海市の中国金融先物取引所で取引が始まった。写真は安徽省・合肥の証券会社内で端末を見つめる投資家(2010年 ロイター)

 西欧諸国では、金融危機にデリバティブが果たした役割について調査が行われており、そうした投資ツールの規制が議論されているが、それとは対照的に、中国は金融市場の一段の自由化に踏み切った。

 中国は、株価指数先物の取引について、秩序だった成長を実現するために段階的に導入する方針を示している。それでも3800億ドル規模とされる中国の投資信託業界では、向こう2年以内に、130%の現物と買いと30%の空売りを組み合わせることでポートフォリオを構築する130/30(ワンサーティー・サーティー)ファンドやレバレッジドETF(上場投資信託)などの商品が生み出される可能性があると、申銀万国証券のアナリスト、Wei Zhiyu氏は指摘する。

 また、政府の監督外にあり、1000億元(約146億5000万ドル)以上の規模を持つ中国のプライベートインベストメントファンドにとっても、デリバティブは業界の押し上げにつながる見通しだ。

 中国国務院の上級調査員、Ba Shusong氏は「株価指数先物の取引解禁で、金融商品の幅が広がる。短期的な影響は限定的だが、株価指数先物は将来的には、中国の投資環境を変えるだろう」と話している。 

 株価指数先物の取引解禁初日には、活発な取引のなか、4つの限月がすべて上昇。中国株式市場の長期的な見通しについて、投資家が強気の見方をしていることが示されたと受け止められている。

 アナリストは、株価指数先物取引の解禁で、新たな投資戦略が生まれ、中国版のジョージ・ソロス氏が誕生する可能性がある、と指摘。

 深センでプライベートマネジメントファンドを運用するWu Guoping氏は「株価指数先物は、多くの資金調達モデルを生み出す」とし、「この市場の参加者はより洗練された手法を使うようになる」と述べた。 

 <当局はリスクの抑制に腐心> 

 中国は、4兆ドルとされる家計の貯蓄のため投資機会を広げるべく、投信業界の発展を目指している。その一方で、規制当局は、株価指数先物取引への機関投資家の参加には、慎重な姿勢を示している。

 投信や証券会社、保険会社などの金融機関は、株価指数先物の口座開設を承認されておらず、当面の主な参加者は、個人投資家になる。

 参加が認められても、投信には厳しい規制がかけられる見通し。草案段階の規制によると、ロングポジションは純資産の10%、ショートポジションは株式保有高の20%に制限されるほか、リスクヘッジを目的とした取引のみが認められ、投機が目的の取引は禁止される。

 Z─ベン・アドバイザーズのアナリスト、Evian Shi氏は「潜在的リスクや不透明感を最小限に抑制することを目指している」と話す。

 しかし申銀万国証券のアナリスト、Ti Yuntao氏は、投信はリスク管理や商品多様化、競争力強化のためのツールを手にすることになる、とし、中国のファンド業界にとって新時代が始まる、と述べた。

 <本物のヘッジファンド誕生も> 

 株価指数先物により、中国で本物のヘッジファンドセクターが誕生する可能性がある。中国では現在、海外のヘッジファンドと似たファンドが数百、数千とあるが、ヘッジのためのツールを持っていない。

 こうしたファンドには政府の規制がかかっていないため、株価指数先物市場で、最も活発かつ独創的なプレーヤーとなる可能性がある。

 上海証券取引所のアナリスト、Tang Xuan氏は「こうしたファンドは、株価指数先物をベースに無数の戦略を開発できる」としている。

 パリに拠点を置くニューエッジ・グループの中国部門代表、ディーン・オーウェン氏は、外国勢も中国の株価指数先物取引への参加に意欲を持っていると話す。「ニューエッジの顧客は中国での取引を望んでいる。ドアは段階的に開いており、将来的には、銀行やヘッジファンドなどより多くの機関投資家が参加できるようになる」と述べた。

 しかし、一方で、中国の株価指数取引解禁に、冷めた見方もある。

 Eファンド・マネジメントの投資部門責任者、Chen Zhimin氏は「デリバディブは両刃の剣だ。間違えば、大きなリスクにさらされる。われわれは、株価指数先物を取引する計画はない」としている。

 取引への参加はしばらく見合わせたほうがよいとの声も聞かれる。

 申銀万国(香港)のバイスマネジャー、Bai Youge氏は「厳格な規制や参加条件の厳しさにより、流動性は当面は低い状態が続くだろう。複雑な金融ツールを使う機は熟していない」との見解を示した。 

 (Samuel Shen記者、Edmund Klamann記者;翻訳 吉川彩;編集 吉瀬邦彦)

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