April 20, 2010 / 4:55 AM / 9 years ago

インフレ目標めぐり応酬、菅財務相「1─2%実質目標に」

 [東京 20日 ロイター] 20日午前の衆院財務金融委員会で行われた日銀半期報告では、デフレ脱却に向けて与党内からも日銀に導入を求める声が出ているインフレ目標について激しい議論が展開された。

 4月20日、衆院財務金融委員会で行われた日銀半期報告では、インフレ目標について激しい議論が展開された。写真は発言する菅財務相(中)と白川日銀総裁(右)(2010年 ロイター/Toru Hanai)

 菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は、政府・日銀が消費者物価の対前年比上昇率で「1─2%」を実質的な目標にすべきと発言。日銀の白川方明総裁は「デフレ脱却は極めて重要な課題」としながら、デフレ脱却には需給バランスの改善が王道と述べるとともにインフレ目標の弊害にも言及した。

 <菅財務相「インフレ目標は魅力的、達成手段のメッセージも必要」>

 日銀半期報告では、質問に立った議員から、デフレ脱却に向けたインフレ目標の導入について政府と日銀に見解を求める声が相次いだ。

 これに対して答弁した菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は「インフレターゲットという考え方について、いろいろな時期に魅力的な政策と感じてきたし、今でもその気持ちはある」と言及。

 現在の日銀の金融政策運営について「日銀の言葉を使えば(消費者物価の)プラス1%程度をめどにと表現しており、方向として、政府の考えと基本的に一致している」と日銀が公表している「中長期的な物価安定の理解」の表現を挙げ、日銀は実質的にCPIのプラス1%程度を目指しているとの見方を示した。

 その上で「プラス1%かプラス2%程度を実質的な意味での目標とし、それを達成するまでは日銀として努力していただき、政府としても達成に向けて努力を続ける姿勢をとることが望ましい」と、CPIのプラス1─2%を金融政策運営の実質的な目標にすべきと踏み込んだ。

 目標達成に向けた手段については「日銀の独立性あり、われわれが言い過ぎてはいけない」としながら、「目標達成まで、どのような手段をとり、継続するのかということがメッセージとしても重要だ」と語った。

 <白川総裁「デフレ脱却は極めて重要、インフレ目標導入国で反省機運も」>

 白川日銀総裁は「日銀は日本経済がデフレから脱却し、物価安定の下での持続的成長経路に復帰することが、極めて重要な課題であると認識している」とデフレ脱却の重要性を強調。今後の金融政策運営について「あらかじめ特定の手段を念頭においたり、排除したりしない」と状況に応じて柔軟に対応していく姿勢を示した。

 もっとも、デフレ克服策については「物価は経済全体の需給の反映で決まる。上昇しないのは需要が弱いため。需要を盛り上げるにはさまざまな努力が必要で、一方、金融政策だけで需要を作り出すには限界がある」と指摘。物価上昇率を短期間にプラスにするには、1997─98年の消費税率引き上げや2007─08年の国際商品市況高騰時並みの物価上昇が必要とし、デフレ脱却には「需給バランスをしっかり改善するのが王道」と強調した。

 こうした点を踏まえ、インフレ目標の導入に関して「ターゲットのよいところは取り込み、さらに進化させていきたい」としたが、インフレ目標を採用している海外の中央銀行の対応を取り上げ、「インフレ目標を採用した国で厳格運用の結果、大きな景気の変動を招いた。インフレ目標の枠組みに反省の機運が出ている」と紹介。「FRBとECBがなぜターゲット(インフレ目標)という言葉を使っていないのか、意味を重く受け止めるべき」とインフレ目標導入議論をけん制した。

(ロイターニュース 竹本能文記者、児玉成夫記者、伊藤純夫記者)

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