May 17, 2010 / 6:16 AM / 10 years ago

財政再建は消費税の2─4倍引き上げ必要=田谷元日銀審議委員

 [東京 17日 ロイター] 田谷禎三・元日銀審議委員(大和総研顧問)は17日、ロイターとのインタビューで、日本の財政再建には消費税を2─4倍に引き上げる必要があるとの見解を示すとともに、3─4年後にも経常収支黒字の減少や赤字化で長期金利が急騰する可能性があるとの見解を示した。また、ギリシャ危機を契機に欧州中央銀行(ECB)が国債買い入れを表明したことに関連して、他の各国中銀も政府の圧力により同様の施策を採らざるを得なくなる懸念があると述べた。日銀が検討を表明した「成長基盤強化支援策」は、企業の資金需要が伸び悩むなか金融機関の貸し出しを強く促す施策が打ち出される公算は大きくないとして、信用創造面で「あまりインパクトはないだろう」との見方を示した。ただ、政府から量的緩和政策を強いられるよりは「まし(な施策)だ」として、日銀の立場に理解を示した。 

 インタビューで田谷氏は、日本の財政支出は「日本の経済規模からみて大き過ぎるとは言えない」として、歳入拡大の必要性を強調。「法人税の引き上げは難しく、所得税の増額も期待できないなかでは、消費税を2倍から3倍、4倍にするしかない」との見方を示した。

 消費税の増税について「引き上げは一時的に消費の下押し圧力になるが、財政悪化による年金減額懸念があるから財布のひもが緩くならない」とし「中長期的な社会保障の観点での必要性は理解される」と述べ、早急に増税論議を本格化させる必要性を強調した。

 ギリシャ問題については、「ギリシャ財政は10年前も同様な状況にあり、今後10年かかっても解決できない」との見方を述べた。1997年のアジア通貨危機で危機に陥った韓国のように「通貨の切り下げによる輸出増で回復することができず、韓国とは産業構造も違う」として、「賃金の大幅な引き下げ」などが必要との見解を示した。

 一方、日本については「3─4年後、早ければ2年後に長期金利が急騰することで財政危機が認識される」と指摘。「いつまでも危機が起こらないのは経常収支の黒字国だから。しかし今後は、家計の貯蓄率低下と政府の財政悪化を企業部門がカバーしきれなくなる」として、米国の長期金利が1980年代に経常収支の赤字化で上昇したように「経常黒字の縮小、赤字化が契機となり日本の長期金利が急騰する」との見通しを語った。

 95%が国内保有されている日本国債は、財政が悪化しても海外のヘッジファンドなどから売りを浴びる可能性は少ないとの見方があるが、田谷氏は「5%の外国人でも売りを浴びせれば危機になる」と指摘した。 

 (ロイターニュース 竹本能文記者、石黒里絵記者)

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