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参院選後の政権枠組み注視、市場は「日本売り」に神経質
2010年5月31日 / 06:49 / 7年後

参院選後の政権枠組み注視、市場は「日本売り」に神経質

 [東京 31日 ロイター] 沖縄の米軍普天間基地の移設先をめぐり政府方針に反発した社民党が連立政権の離脱を決定したが、株式市場では流動化しつつある政局を静観する構えだ。

 5月31日、鳩山政権の支持率下落に歯止めがかからないなか、市場の視線は参院選後の政権の枠組みに移っている。写真は鳩山首相。都内で28日撮影(2010年 ロイター/Toru Hanai)

 鳩山由紀夫首相のリーダーシップの欠如や小沢一郎幹事長の政治資金問題で政権支持率の下落に歯止めがかからないなか参院選まで1カ月あまり。「日本売り」につながる懸念はないのか、市場の視線は参議院選挙後の政権の枠組みに移っている。

 社民党は30日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐる福島瑞穂党首の閣僚罷免を受け、連立政権からの離脱を決めた。共同通信などによると、社民党の重野安正幹事長は、連立政権樹立の際に合意した政策に関し、実現に向けて民主、国民新両党と協議を継続していく考えを明らかにしており、民主党との関係は当面、法案や政策ごとの「部分連合」になるとみられる。輿石東幹事長代行も、首相の進退問題に発展する可能性を否定せず、政局は緊迫した場面を迎えた。

 しかし、31日の東京株式市場は反応が限定的だ。格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインを格下げしたことで前週末の米株式市場では、ユーロ圏の債務問題をめぐる懸念が再燃、ダウ工業株30種 など主要株価指数は反落した。米株価が下げたにもかかわらず、この日は米国と英国がそれぞれ休場で薄商いのなか、日経平均はプラス圏で引けた。政局の緊迫化は売り材料だが、市場関係者は国内の政治情勢を静観している。

 みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏は「社民党の連立離脱で与党の政策運営が困難となる。このまま政局の混乱が続けば海外勢による日本売りの大きな材料になってくるだろう」と指摘する。一方で、社民党だけでなく国民新党の連立離脱を望む声も金融市場には出ている。邦銀系の株式トレーダーは「郵政民営化の見直しなどデフレ脱却どころかデフレをひた走る政策で、このまま政権与党に居座れば日本売りの材料にされる」と批判する。そのうえで参院選の結果を踏まえ、政策的に近い政党との連立組み替えの重要性を強調する。

 みずほ総研の武内氏は、今後は参院選に向けての民主党の態勢立て直しや小沢幹事長の政治資金問題に関する検察審査会の審査の行方に注目しているという。小沢幹事長の政治資金問題については「検察側が立証できるかどうかは別として起訴ということになれば幹事長辞任の可能性も出てくる」と話す。しかし一方で「その方がむしろ民主党への批判が弱まり、公明党とも連立しやすくなる」とし、政権の安定化で金融市場にとっては逆に望ましい姿との考えだ。

 公明党は現時点で、「現行の民主党執行部とばらまき型の経済政策は問題」(党関係者)とし、民主党には距離を置いている。参院選に向けた支持率調査で急伸が伝えられるみんなの党は江田憲司幹事長が記者会見などで、民主党との連携の可能性を繰り返し否定している。邦銀系のトレーダーは「政党はこだわらないが、(今後、財政規律などで)日本売りの材料を提供するになるような政策は見直すべきだ」と述べた。

 日経新聞の調査によると、鳩山政権の支持率は下落に歯止めがかからず22%に低下した。このままでは参院選に勝てないとして「鳩山降ろし」の声が強まる可能性もあり、民主党は、当面は支持率にらみとなりそうだ。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者、編集 橋本浩)

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