July 22, 2010 / 8:41 AM / 8 years ago

焦点:長期金利が一時7年ぶり低水準、日銀追加緩和なら1%割れも

 [東京 22日 ロイター] 長期金利が急ピッチで低下している。22日の東京債券市場では、指標銘柄である10年国債利回りが一時1.045%となり、2003年8月以来7年ぶりの低水準を付けた。

 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が21日、米議会証言で米経済の先行きについて「異例なほど不確実」との懸念を示し、米10年物国債利回りが低下した流れを継いだ。日米の金利差縮小によりドル安/円高が進めば、日銀の追加金融緩和が視野に入るとみられ、量的緩和以降、事実上封印されてきた長期金利1%割れのシナリオは、急速に現実味を帯びてきた。

 長期金利が低下したのは、主要投資家である大手銀行が、残存期間9年や10年といった比較的、償還期間が長い現物国債を購入したためだ。財務省が22日実施した20年物国債(119回、表面利率は年1.8%)の入札では、好不調を示す最低落札価格と平均との差が5銭にとどまったほか、応札倍率が4.46倍に達した。

 「回転売買を繰り返すことで債券収益をかさ上げするしかない」(大手銀行)。設備投資の低迷により銀行貸し出しが伸びず、消去法的に国債購入に踏み切る投資家も少なくない。地域金融機関の幹部は「今年度に定めた金利アセットを維持するには、もはや押し目などと言っていられない」と、苦しい胸の内を明かす。

 バーナンキ議長の議会証言は、こうした状況に拍車をかけた。ビー・エヌ・ピー・パリバ証券東京支店の島本幸治・投資調査部長は「米景気の不透明感が世界的な景気二番底懸念につながっていた。年後半、早ければ来月にもFRBが金融緩和方向に軌道修正するのではとの観測が、強力なサポート要因となっている」と分析する。

  <オバマ・シナリオの副作用>

 「日米ともに短期金利はかなり低い。米国の時間軸が延びることは、ドル下押しの原動力にはならない」(外銀)。それでも円高観測が絶えない背景には、米国内の懐事情がある。

 東海東京証券の斎藤満チーフエコノミストは「米国では秋に中間選挙を控えており、支持率低下と選挙での民主党苦戦の状況を打開するためには、雇用拡大につながる景気対策が必要」と指摘。「念頭に置いているのが、FRBによる追加緩和と5年間で輸出を倍増させるオバマ・シナリオで、輸出倍増計画にはドル安が必要」とみる。

 為替市場では、一段と円高が進行した場合、実弾を突っ込む介入より日銀による追加緩和の方がハードルが低いとの見方が多い。市場には「参院選を受けて、ねじれ国会が再現することは、政策の根詰まりを通じて金融緩和政策への負荷を高めかねず、長期金利がゼロ%台で推移しても違和感はない」(邦銀)との声もある。

 (ロイター・ニュース  山口 貴也記者)

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