August 6, 2010 / 12:34 PM / 10 years ago

1週間で5円程度円高進むなら為替介入の可能性も=JPモルガン

 [東京 6日 ロイター] JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは6日、ロイターのインタビューで、足元の1ドル=85円程度の水準から1週間で5円程度も円高が進むような状況になれば、為替介入もありうると述べた。

 8月6日、JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、1週間で5円程度も円高が進むような状況になれば為替介入もありうると指摘。写真は都内の両替所で昨年11月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 足立氏は、介入の有無は、為替の水準でなく、スピードがより重要で、市場機能がおかしくなっている場合には介入が正当化されると指摘した。日銀の追加緩和の可能性については、1週間で5円程度円高に動くなど劇的な変化があった場合には、為替介入とセットで量的緩和の再導入もありうると予想した。

  ──為替の今後の動きをどうみるか。

 「この先1カ月くらいを予想すると、1ドル=84─85円くらいで一旦とまると見る。さらに進んでも83円くらいだろう。一気に80円割れの可能性も3割くらいはある」

  ──為替介入の可能性をどうみるか。

 「1ドル=83円でとまるのであれば、介入はないと思う。足元の85円くらいの水準から、1週間後で5円程度も円高が進むのであれば、介入ということになろう。問題は為替の水準でなくスピードで、市場機能がおかしくなっている場合には介入が正当化される」

 「日銀や財務省が問題にしているのは、円高そのものではなく、センチメントの悪化。昨年11月と違うのは、今はセンチメントの悪化がみられないこと。企業からも悲鳴が聞こえてこないが、輸出数量がよくなっているためだ。数量の増加で円高が吸収できるとみている。円高がゆっくりである限りは、数量がそんなに落ちなければ、まだ大丈夫という感じになりやすい。また今の為替は購買力平価からみると円高でも円安でもない。このようにニュートラルな水準にあるときは、市場が壊れたと判断されなければ、介入は正当化できない」

  ──日銀の追加緩和の可能性をどうみるか。

 「相当に低い。日銀は追加緩和をしなければいけないと思うほど景気の不透明感が高まっているとは見ていない。米国の追加緩和もないとみており、米国のそういうスタンスがある中で、日本が先走って緩和することは考えにくい。何をやったら円安になるかという効果的手段が考えにくいこともある。円高の推進力は米国のやや長めの金利だが、日本がそれを補うように、さらに金利を下げられるかというと、あまり期待できない」

  ──日銀はどういう状況になれば緩和に踏み切るとみるか。

 「劇的な変化があった場合で、日銀が何かやるということを示さないと危ういという時には、一番よいのは、為替介入とセットで量的緩和の再導入もありうる。1週間で5円程度、円高に動いた場合は危ない。ただ、6カ月間で80円になる場合などは動きにくい」

  ──量的緩和に戻る手前で、何らかの対応はとられないか。

 「0.1%の固定金利による共通担保資金供給オペの拡充も可能性としてはある。普通のロジックではそれしか思いつかないが、効果は少ない。皆が予想していることをしても何のサプライズもない。今の供給額である20兆円を100兆円にしたところで何が変わるのか疑問がある。実際にやれば、日銀がラジカルな方に行くのではないかという印象を、一瞬、与えることはできるかもしれない。しかし、それが本当に効果ある措置かどうかを冷静に考えてみると、非常に懐疑的だ。インフレ期待には何ら影響を与えない」

  ──市場では、長期国債買い入れの増額や、超過準備の付利の撤廃などの見方もある。

 「あまり意味はない。市場のセンチメントを変えるために何でもするというのは1つのオプションだが、日銀はそう考えないと思う。期待に働きかけるのは、ちゃんとしたメカニズムがあって期待を変えられるのであり、ワンショットの効果があるかないか分からないことを全部やって、後で効果がないことがわかれば、失望感からボラティリティを大きくするだけ。今の日銀のボードがとるとは思えない。」

 (ロイターニュース 児玉 成夫記者、編集 内田慎一)

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