August 11, 2010 / 9:56 PM / 10 years ago

円が一時15年ぶり高値、世界経済懸念でドル指数は大幅上昇

 [ニューヨーク 11日 ロイター] 11日のニューヨーク外国為替市場では、ドルは対円で下落。電子取引システムEBSで15年ぶりの低水準となる84.72円付近をつけた。

 8月11日、ニューヨーク外国為替市場ではドルは対円で下落し、15年ぶり低水準に。写真は都内のディーリングルーム(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 ドルは円以外の主要通貨に対して上昇。主要6通貨に対するドルの価値を示すICEのドル指数は、2009年10月以来最大となる1.8%も上昇した。

 米連邦準備理事会(FRB)が景気認識を後退させたことや、中国の鉱工業生産の伸び鈍化で世界経済への懸念が強まり、高金利通貨や株などリスク資産を売ってドルや円、米国債を買う動きとなった。

 ユーロは対ドルで2.2%下落し1.2882ドル。2008年10月以来の大幅な下げ幅で7月下旬以来の低水準となった。ポンド/ドルは1.1%安の1.5676ドル。英中銀のインフレ報告が圧迫した。

 円は、幅広く上昇。ユーロは対円で2.5%下落し109.74円。豪ドルも対円で1.8%下落した。

 ドルは、弱い経済指標を受けた米景気減速懸念からここ6週間、軟調な動きとなっていた。

 しかし、一部投資家が米景気低迷が米国外に波及することを懸念するようになり、市場の目は世界経済情勢に向かった。

 アナリストによると、世界経済に対する懸念は、10日発表された7月の中国経済指標のなかで鉱工業生産の伸びが一段と鈍化したことでさらに強まったという。

 スミス・アフィリエーテッド・キャピタルのロバート・スミス会長は、米経済成長の減速は「中国、日本、世界にとって問題」と指摘。

 「デフレ論が台頭している。この環境で、米国債は買われている。ドルは今後も予想外の動きをすると思う」と述べた。

 米国債が買われ、利回りが低下しているのを受け、米国債を大量に保有する日本の投資家は利益を確定し、資金を円転する動きが出ている。

 10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が景気認識を引き下げ、機関債の償還資金を国債に再投資する措置を発表したのを受け、米国債2年物利回りは11日に過去最低になった。

 米国債の上昇で日米の2年債利回り格差が縮小。これを受け、ドル/円はオプション・バリアーの85.00円、84.75円を抜け、EBSで15年ぶりドル安水準の84.72円をつけた。ニューヨーク取引は85.20円台で終えた。

 CMCマーケッツ(ロンドン)のチーフマーケットストラテジスト、アシュラフ・ライディ氏は「FRBが米国債買い切りをすると、円の『win-winシナリオ』が長引く可能性がある」とみている。米金利低下で日本の資本が国内に滞留し、株下落が円を押し上げるという。

 野田佳彦財務相は日本時間11日午後、外為市場で一時ドルが85円を割り込んだことについて「この動向はきわめて注意深く見守る」と述べた。為替介入ついては「コメントは避ける」とした。アナリストは、口先介入が実際の市場介入に発展する可能性は低いとみている。

 またユーロ圏関係筋は11日、ロイターに対し、円高抑制に向けた日本の為替介入を欧州当局者は歓迎しないとの認識を示した。円の上昇は急過ぎるとしたものの、アジア市場での需要の高まりによって日本が最も恩恵を受ける公算が大きいことを踏まえると、円高を世界経済にマイナスと見なすべきでない、と指摘した。

 UBS(チューリヒ)の為替アナリスト、マニュエル・オリベリ氏は「日本が介入するには、米欧のサポートが必要。しかしFRBもECBも今は他の問題に集中している。したがって、現在の水準で介入があるとは思わない」と述べた。同氏は、いまはドルが対円で上昇する余地はなく、80円に向けて下落するとみている。ドルの対円での最安値は1995年4月に付けた79.75円付近。

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