August 12, 2010 / 12:54 PM / 9 years ago

欧州財政問題に懸念再燃の兆し、株安・円高誘発の一因か

 8月12日、世界株安・円高を誘発した一因として、市場では欧州問題への関心が高まり始めた点を指摘する声が出ている。写真はダブリンのフェニックス・パークで。昨年5月撮影(2010年 ロイター/Cathal McNaughton)

 [東京 12日 ロイター] 世界的な株価の下げや対ドルで15年ぶり高値を更新する円高を誘発した一因として、市場では欧州問題への関心が高まり始めた点を指摘する声が出ている。

 株安/円高の主因は米連邦公開市場委員会(FOMC)が米景気の先行きに懸念を示したことなどとされるが、いったん傷口がふさがったかに見えた欧州問題が今後再び広がりを見せ始めれば、世界の金融市場にとって大きなリスク要因となりかねない。

 欧州への懸念が市場にくすぶり始めたのは10日夜。世界の市場参加者の関心がFOMCに集中する中、アイルランドのアングロ・アイリッシュ・バンク[ANGIB.UL]が政府による最大100億ユーロの追加支援について、欧州連合(EU)から暫定的な承認を得たことが明らかになった。

 しかし、その支援規模が予想を上回ったことを受けて、市場ではアイルランドの財政赤字問題に再び懸念が強まるとの見方が次第に広がった。アイルランドの10年債国債利回りは11日にかけて急上昇。4.9%台から一時5.5%台まで上昇し、ドイツ国債との利回り格差も1カ月ぶり高水準を記録した。アイルランドで17日に予定されている「国債入札への懸念を示す声もあった」(邦銀)という。

 さらに11日。欧州中央銀行(ECB)が実施した7日物のドル資金供給オペで、2行が合計4億3000万ドルの供給を受けたことが明らかになった。 ECBがドルを供給するのは2カ月ぶり。欧州金融機関をめぐる問題はストレステストを経て解決したかに見えていたが、ECBの結果発表を受けて「ドルが取れていない欧州金融機関が出てきたのか」と、供給を受けた2行をめぐって思惑が一気に広がった。

 12日にかけての市場で世界的に株価が大きく下落する一方、外為市場でドルと円が大きく買われたのは、FOMCの景気判断下方修正に加え、中国で発表された経済指標が足元景気の伸び悩みを示したこと、英中銀が成長率見通しを下方修正したことなど「世界中で景気減速の広がりを示すニュースが相次いだ」(バークレイズ銀行東京支店のチーフFXストラテジスト、山本雅文氏)ため。しかし、ドルと円を押し上げる一因となったユーロ大幅下落の裏側に、こうした懸念が再びくすぶり始めたとの声は少なくない。

 ユーロ/ドルは12日夕方の取引で一時1.2804ドルまで下落。3週間ぶり安値を更新した。6日の米雇用統計発表後につけた高値から12日までの下げ幅は500ポイント超。ユーロ/円も12日早朝に一時109.24円をつけ、週初の高値から4.7円の大幅安となっている。

 基太村 真司記者  (ロイター 編集:石田仁志)

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