August 25, 2010 / 7:36 AM / 10 years ago

重荷となる信用買い残、4月高値期日控え戻り相場でも圧迫要因に

 8月25日、膨らんだ信用買い残が需給面での重荷となり、下げ相場を加速させているとの見方が出ている。写真は東京証券取引所。4月撮影(2010年 ロイター/Issei Kato)

 水野 文也記者

 [東京 25日 ロイター] 膨らんだ信用買い残が需給面での重荷となり、下げ相場を加速させているとの見方が出ている。日経平均がチャート上で重要なポイントになるとみられていた9000円を割り込んだことで、信用取引で買った投資家の投げが活発化した格好。

 先行き戻り相場に転じたとしても、当面は4月5日に付けた年初来高値に呼応する信用期日を控えているため、引き続き圧迫要因になりそうだ。

 東京証券取引所が24日に公表した20日申し込み現在の3市場信用取引現在高(概算)によると、金額ベースで買い残は1兆8611億1000万円(前週比161億5300万円減)と2週ぶりに減少した。売り残は5892億8500万円(前週比116億8700万円増)で、倍率は3.15倍(前週は3.25倍)と若干改善している。

 ただ、この数値は最近では高い水準だ。日経平均が年初来高値を付けた週である4月9日申し込み現在の信用買い残は、1兆4910億1900万円と現在よりも少ない。しかも、当時の倍率は1.73倍と取り組みも比較的良好だった。現在は安い株価水準にあるのにもかかわらず買い残が多く仮需の整理が進んでいない一方、将来の買い戻しにつながる売り残が低水準とあって、需給面は厳しい状況にあると言える。市場では直近に株価の下げが加速したことについて「割ることはないとみられていた日経平均9000円を下回ったことで、信用取引で買い建てていた投資家が投げを急ぐようになった」(東洋証券・ストラテジストの檜和田浩昭氏)との指摘があった。

 主力銘柄の信用残高をみると、4月時点に比べて買い残が増加していることが目立つ。信用買い残は高値を形成する際に増加するケースが多いが「今回の場合、むしろ増加したのは株価が下げに転じた5月以降。株価が下落する中にあって企業業績は大幅増益が見込まれていることから、押しを好機ととらえて買いが増えた。それが環境に不透明感が漂う今になってあだになった」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)という。収益に対する期待の高さが株価が下落するたびに反転を見越した買いを誘い、それを繰り返しているうちにチャート上で「最後の砦(とりで)」になるとみられていた9000円を割り、投げ売りが活発化した構図が透けてみえる。

 信用取引動向からは今後も厳しい状態が続く。4月5日の年初来高値に呼応する信用高値期日が到来し、その整理に伴う売りが増えるとみられるためだ。買い残が増加したのが5月以降である点を踏まえると、期日を通過した後もしばらく需給面で圧迫感が強い状況になることが想定できる。市場では、政府や日銀が対策を講じた後は、全般的にリバウンド相場になるとの見方が多いが「膨らんだ信用買い残を踏まえると、戻る場面においてはヤレヤレの売りが出そう。環境面からムードが好転しても、需給が水を指す可能性もある」(中堅証券幹部)との指摘もあった。

 (ロイター日本語ニュース 編集 宮崎 大)

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