August 26, 2010 / 12:58 PM / 10 years ago

小沢氏の代表選出馬表明、経済運営は視界不良

 8月26日、小沢一郎民主党前幹事長が代表選出馬を表明し、代表選後の政局混迷を危ぐする声が上がっている。写真は25日、東京で開かれたセミナーで(2010年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 26日 ロイター] 小沢一郎民主党前幹事長が代表選出馬を表明し、代表選後の政局混迷を危ぐする声が上がっている。菅直人首相と小沢氏の事実上の一騎打ちとなるなかで、小沢氏が勝っても負けても、民主党分裂に発展するとの見方が広がっている。

 急速な円高・株安が進行しながらも、政策対応が後手に回るなか、政局の不透明感も加わり、経済運営は一段と「視界不良」になることが懸念されている。

 早稲田大学政治経済学術院の山本武彦教授は「小沢氏が勝っても地殻変動。負けても地殻変動が起こる。党が割れる可能性もありうる」と見通し、「『壊し屋』小沢氏が政治をカオス(大混乱)にする可能性もある」とみる。

 代表選告示までの民主党内の勢力争いは、自民党政権と長く付き合ってきた官僚には「自民党政権時代より露骨だ」と映る。菅首相支持グループと小沢氏支持グループの溝は確実に広がっており、もはや党内融和は厳しいとの見方もある。財務省OBは「どのような結果になろうと、しこりを残さず、代表選後には党内融和を図って欲しい」と期待を寄せる。菅首相は26日夕、選挙後の「全員野球」を繰り返し呼びかけたが、民主党分裂や政界再編に発展するとの見方が勢いを増している。

 勢力争いの弊害は、既に政策停滞となって日本経済に重くのしかかっている。急速な円高進行に対して野田佳彦財務相が25日午前に「必要な時には適切な対応を取る」と為替介入も辞さない姿勢を表明した直後に、菅首相が今度は「介入にコメントしない」と冷やしてしまう連携の乏しさ。円高・経済対策を主張しながらも具体策の検討は一向に進んでいない。

 自民党の谷垣禎一総裁は26日の記者会見で、円高進行の根本原因は「政策不況」にあるとし、「民主党内のいろいろな権力闘争に心を奪われ、なかなか適切な対策が出てこないことをマーケットに見透かされている」と批判した。欧米各国が自国通貨安を容認するなかで、問題点を整理し、トップ外交で解決の糸口を見出すような「政府の覚悟」が足りないとも批判した。

 民主党代表選では、参院選大敗の原因と名指しされた消費税増税論議の是非と09年マニフェスト(政権公約)の完全実施か修正かが争点となる。小沢氏は、政権公約の実施を最優先に掲げており、政府内では、歳出圧力が高まり、財政再建が遠のくのではないかとの懸念が出ている。消費税を含む税制抜本改革の議論への影響も避けられず、「展開は全く予想できない」(財務省幹部)という。財政再建や税制改革が逆行しかねない事態に、経済官庁の官僚らの間で危機感が高まっている。

 (ロイターニュース 吉川 裕子記者)

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