September 7, 2010 / 3:29 AM / 9 years ago

ストレステストの厳格さに疑問符、海外紙報道受けユーロ売り

 [東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ロンドン市場の午後3時時点とほぼ同水準の84円前半で推移している。海外紙報道をきっかけに朝方ユーロ売りが強まり、ユーロ/円の売りが波及してドル/円も84.09円まで売られたが、売り一巡後はドル/円も下げ渋った。

 9月7日、東京外国為替市場では、海外紙の報道をきっかけに朝方ユーロ売りが強まった。写真はフランクフルトのECB本部前で2007年2月撮影したユーロのマーク(2010年 ロイター/Alex Grimm)

 ただ、ドル/円の買い材料もないことから戻りの上値も限られ、84円前半のレンジ取引になった。

 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)電子版が独自の分析結果として伝えたところによると、欧州の主要銀行を対象に最近実施された健全性審査(ストレステスト)で一部銀行はソブリン債の保有高を実態よりも少なく申告していた。

 これを受けて朝方にユーロ売りが加速、対ドルで1.2789ドルときょうの高値から90ポイント近く売られ、対円でも107.65円まで下落して、ともに雇用統計後の上昇分を吐き出した。「雇用統計後の上昇局面でも(これまで重かった)1.29ドル水準で押さえ込まれたため、報道をきっかけにポジション調整の売りが出た。米国勢が休場の米国時間と東京時間のはざまで取引の薄い時間帯だったため、値幅が広がった可能性がある」(みずほ証券投資情報部マネージャー、鈴木健吾氏)という。

 朝方の売りが一巡すると、ユーロはいったん下げ渋って1.28ドルを回復した。しかし、上値は重く、なかなか1.28ドル台に定着しきれない。市場では「ストレステストの厳格さはは当初から疑問があった。ただ、欧州勢や休場明けの米国勢の反応は確認したい」(大手銀行)との声が出ている。

 一方、ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏は、不透明感の強いなかで機関投資家はポジションを傾けることに慎重になっていると指摘。「ユーロのポジションはほぼ中立。ここからユーロショートを目指すとは思えない。今はポジションを新たに構築する局面ではなく、ポジションを手仕舞う局面だ」(富田氏)としている。

 ユーロ/円の売りがドル/円に波及、ドルは一時84.09円まで下落したが、その後はユーロ/ドルのドル買いも波及してドル/円をサポート。ドル/円はじわりと84.27円まで値を戻したが「6日に割り込んだ84.30円付近が重い」(国内金融機関)ことから上値は限られた。

 <米景気対策にらんで米国株に懸念も>

 オバマ米大統領は6日に500億ドル規模の6カ年インフラ整備計画を打ち出すなど、景気対策の内容が徐々に明らかになってきている。しかし、為替市場の値動きへの影響は限定的で、ドル/円の買いにはつながっていない。

 市場では「対策は小粒。米国勢の反応を確認する必要はあるが、中間選挙を控えているにもかかわらず、この程度かというイメージがある」(大手銀行)、「全部が議会を通って実施できるか不透明」(国内金融機関)などの声が聞かれる。

 米国株は前週末に127ドル上昇。終値ベースでは8月10日以来の高値をつけて3連休に入った。米雇用統計が予想を上回ったこともあるが「米景気対策への期待感が含まれていた可能性もある。きょうの米国株に失望売りが出ないかどうかを確認したい」(大手銀行)との声が上がっている。 

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)

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