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インタビュー:ベトナムでの受注に全力=国際原子力開発社長
2010年9月24日 / 11:05 / 7年前

インタビュー:ベトナムでの受注に全力=国際原子力開発社長

 [東京 24日 ロイター] 日本の原子力発電プラントや運転技術を海外に売り込む目的で、10月下旬に設立される新会社「国際原子力開発」の社長に就任予定の武黒一郎氏(東京電力(9501.T)元副社長)は24日、ロイターのインタビューに応じ、フランスや韓国との競合が見込まれるベトナムでの商談について「日本は総合的な技術力の高さが強み」と語った。

 9月24日、10月下旬に設立される「国際原子力開発」の社長に就任する武黒氏は、当面、ベトナムでの商談に注力するとしている。写真はホーチミン市。6月撮影(2010年 ロイター/Nguyen Huy Kham)

 新会社は当面、ベトナムでの商談に注力するとしている。

 国際原子力開発は、東京電力(9501.T)、関西電力(9503.T)、中部電力(9502.T)の電力3社と、日立製作所(6501.T)、東芝(6502.T)、三菱重工業(7011.T)の原子力プラントメーカー3社が共同出資して設立される。新会社は原発を新規に導入する国での受注を目指し、プロジェクトの提案活動を行う。

 武黒氏は、新会社の狙いについて「新規導入国のニーズに対して、発電所のEPC(建設一括請負)だけでなく、運転・保守、人材育成、燃料供給を含めた発電所の運営と、日本政府による相手国での制度整備や資金支援策といった包括的な提案を行い、日本が(海外プロジェクトを)受注できるようにするのが狙い」と説明した。商談の対象国については「率直にいって今はベトナム。他国はベトナムと同じ水準で視野に入る状況ではない」としている。

 ベトナム南部ニントゥアン省での原発建設計画では、韓国やフランスの企業との競合が見込まれている。武黒氏は、8月下旬に直嶋正行・前経済産業相による訪越ミッションに同行し、ズン首相らベトナム政府要人に日本の原発の採用をアピールした。日本側の優位点について武黒氏は「原発は新しいプラントだと80年間の運転が可能だと思うが、その間に様々な技術的な課題も生じてくる。これを解決しながら、運転・保守していく総合的な力が高い」と述べた。 

 <安全性はグローバル基準で> 

 日本政府は6月策定の「新成長戦略」で原発などインフラ輸出を強化することを盛り込んだ政策目標を示した。一方、この政策の背景には、昨年末、アラブ首長国連邦(UAE)における原発受注商談で韓国の企業連合に、ベトナム(ニントゥアン省第1期分)ではロシア企業にそれぞれ敗れたことの反省がある。UAEでの商談では、韓国勢が日本を含む他の企業連合に比べ2割程度安い価格を提示したことも受注につながったとされる。

 武黒氏は、日本勢が技術的な優位性に偏り、安全性などに関して過剰品質に陥っているのではとの指摘に対し、「原子力発電所の安全設計というのは本来、世界共通。ただ、構造の規格とか具体的な基準になると、産業の発展段階などが反映され、国によって違いが出てくる。その中で、これからはグローバル・スタンダードを目指すべきだ」などと述べた。その上で同氏は、「日本の場合、スタンダードに対して裕度を持った作りにしているが、裕度が無理や無駄になると(ビジネスの)阻害要因になるので、そうしたものをグローバル・スタンダードに合わせていくべき」と強調した。

 (インタビュアー:浜田健太郎、前田りさ)

 (ロイター日本語ニュース、浜田健太郎)

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