[ワシントン 30日 ロイター] 米エネルギー省のサンダロー次官補(政策・国際問題担当)は30日、中国のレアアース(希土類)生産への依存から脱却するため、各国に生産拡大を促す考えを示した。
同次官補は上院エネルギー天然資源委員会で、レアアースは電気自動車や太陽光パネル、風力タービンなどの環境関連技術に利用されていることから、オバマ政権は供給源を多様化することが重要だと述べた。
中国は世界のレアアース生産の約95%を占める。中国の生産独占をめぐっては、今月、同国が対日輸出を事実上停止したとの業界筋の報告を受けて懸念が高まった。日本の商社筋によると中国は日本向け輸出を再開したが、日本企業は中国以外の供給源を模索している。
サンダロー次官補は公聴会で「(中国への)生産集中は深刻な懸念を生んでおり、貴重な資源の供給源を多様化することが重要だ」と指摘。オバマ政権として貿易相手国にレアアースの開発加速を促すとし、「供給リスクを管理するためには、長期にわたって複数の分散された供給源が必要になる」との見方を示した。
また、米エネルギー省は今秋、レアアース資源の開発計画を明らかにすると述べた。