[サンフランシスコ/ロンドン 17日 ロイター] 米アップルAAPL.Oのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が、病気療養のため休職することが明らかになった。
ジョブズCEOは従業員への電子メールで「私が健康問題に集中できるよう、私の申し出を受け、取締役が療養休暇を承認した」とした上で、「私は引き続きCEO職にとどまり、重要な戦略的決定には関与していく」と強調した。
ジョブズCEOの休職中は、ティム・クック最高執行責任者(COO)が日常業務の責任者を務める。
ジョブズ氏は休職の期間については明確にしなかったものの、「出来る限り早い復帰」を望んでいると表明した。
アップルの株価は17日の独フランクフルト株式市場で一時8%超下落した後、6.2%安で取引を終えた。
病気療養によるジョブズ氏の休職は、2004年以降これで3度目。前回と異なり、休職期間が明確にされなかったことが、同氏の病状をめぐる懸念を強めている。アップルの広報担当者はより詳しいコメントを拒否した。
ハドソン・スクエア・リサーチのアナリスト、ダニエル・アーンスト氏は「今回はジョブズ氏が復活できるかどうか疑わざるを得ない」と述べた。
アナリストは、ジョブズ氏の休職による当面の業務への影響は限定的としているが、同氏の不在が長引けば、懸念が広がる可能性がある。
アップルはCEO後継計画を明確に示していないが、他社のCEO候補としても頻繁に名前の挙がるクックCOOを有力視する向きが多い。ただ、ジョブズ氏の持つ戦略的ビジョンを同氏が備えているかどうかは明らかでない。