March 7, 2011 / 6:43 PM / 9 years ago

日立がHDD事業を米WDに売却へ、インフラ注力鮮明に

 [東京 7日 ロイター] 日立製作所(6501.T)は7日、ハードディスクドライブ(HDD)子会社の日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST、米カリフォルニア州サンノゼ市)を米ウェスタン・デジタル(WD)WDC.Nに約3500億円で売却することで合意したと発表した。

 3月7日、日立製作所はHDD事業を米ウェスタン・デジタル(WD)に売却することで合意したと発表。インフラに注力する意向が鮮明に。写真は都内にある同社オフィスのロゴ。2009年2月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

 新規株式公開(IPO)計画は撤回する。同日夜記者会見した中西宏明社長は、売却資金の使途について、「(インフラ関連など)社会イノベーションでの成長戦略の投資需要が挙がっており、いくつかは候補になる」と注力分野への再投資に振り向ける意向を示した。

 中西社長は、IPOではなくWDへの売却を決めたことについて「HGSTがより有利な条件で独立することは必然」と述べた。WDは現金35億ドルとWDの株式2500万株(約7億5000万ドルに相当)で、HGSTの全株式を買収する。

 これにより日立は、WDの発行済み株式総数の約10%を保有して筆頭株主になる。WDへの10%出資で筆頭株主になることについては、HGST従業員の権利を確保するだけでなく「(2社の統合で)非常に魅力的な会社ができるので、次の売却でより多くのリターンが得られる」とした。日立から2人がWDの取締役に就任する。HGSTのスティーブ・ミリガン社長兼最高経営責任者(CEO)は、WDの社長に就任し、WDのジョン・コインCEOに次ぐナンバー2になる。 

  <総合電機、定義に意味はない>

 中西社長は会見で、「社会イノベーション事業を世界展開するにはリスクをきっちりマネージする必要があり、相応の資金の裏付けが必要。成長路線にもっていくには今回のような売却も必要だ」と強調した。今回のHDD事業の売却で日立が総合電機という形態から一段と離れていくのかどうかについて同社長は、「総合電機という定義はもうあまり意味がない。事業自体が強くなり、株主からいただいている責任を果たせるかどうかで判断している」と語った。

 日立は2002年末に米IBM(IBM.N)のHDD事業を20億ドル(当時のレートで約2500億円)で買収し、日立のHDD事業と統合。日立によると、03年から10年までの通算営業損益は335億円の赤字。最終損益は公表していないが、買収金額と売却金額の差し引きを含め、HDD事業の買収から売却に至るトータルの収支は「金銭面ではプラス」(中西社長)という。

 株式譲渡は世界各国の独禁法当局からの認可などを条件に、2011年9月末までに完了する予定。米調査会社IDCによると、HDD全体のシェアはWD31%、米シーゲイト・テクノロジーズ(STX.O)29%、HGST18%などとなっている。独禁法上の審査について中西社長は「多分クリアできると思うが、一番心配なのは中国」と述べた。

 HGSTをめぐっては、赤字が続いた07年当時に売却を検討し、複数のプライベート・エクイティ・ファンドと交渉した経緯がある。その後、パソコンやサーバーなどの需要増加とともに業績は回復し、四半期ベースで黒字化。日立は、HGSTを米株式市場でIPOするか他社への売却かの可能性を模索し、昨年秋にはIPOに向けゴールドマン・サックス(GS.N)など複数の投資銀行を主幹事団に選定していたが、結果的にはIPOを撤回し、ウェスタン・デジタルへの売却となった。

 (ロイターニュース 江本恵美 大林優香 浜田健太郎)

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