[東京 8日 ロイター] 財務省が8日に発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は1兆6410億円の黒字となった。前年比3.0%増で、増加は2カ月ぶり。貿易黒字が減少したものの、所得収支の黒字額が増加したことから、経常収支の黒字幅が拡大した。
ロイターが民間調査機関に行った事前調査では、経常収支の予測中央値は1兆7066億円の黒字、前年比7.1%増だった。
貿易・サービス収支黒字は6864億円となり、2カ月ぶりに黒字に転じた。
このうち貿易収支は7233億円の黒字となり、2カ月ぶりに黒字に転じたが、前年に比べ減少した。輸出は前年比9.7%増と15カ月連続で増加し、1月(同2.9%増)から伸びが加速。輸入は前年比13.1%増と14カ月連続で増加し、1月(同15.6%増)から減速した。原粗油など資源価格高騰を背景に輸入の増加幅が輸出を上回り、貿易黒字は前年に比べ縮小した。
サービス収支は369億円の赤字で、11カ月連続の赤字となったが、前年同月(730億円の赤字)から赤字幅が縮小した。
所得収支の黒字額は前年比18.3%増の1兆1379億円となり、7カ月連続で増加した。海外子会社の業績改善で内部留保が増加傾向となるなか、再投資収益の受け取りが増加。配当金の受け取り増などを受けて証券投資収益が増加し、所得収支の黒字額増加に寄与した。
(ロイターニュース 武田晃子;編集 田中志保)